略奪でガザの食料供給機能不全、イスラエルの対策言明でも=情報筋
[24日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザで食料輸送車列を襲う武装集団により、飢餓を回避する供給ラインが機能していないことが、国連および米当局者3人により明らかになった。イスラエルは10月中旬に武装集団の取り締まりを言明している。 匿名で語った3人の高官によると、イスラエル国防軍(IDF)はイスラム組織ハマスとの戦いに集中し、イスラエル支配下にあるガザの一部で活動するギャング集団には限られた対応しか講じていない。ギャングによる暴力が制御不能なまでになり、ガザの約210万人の住民の多くが頼る供給ラインが麻痺している。 国連の救援機関と慈善団体がまとめた集計によると、10月に攻撃や略奪によって950万ドル相当の食料やその他の物資が失われた。ガザに送られた人道支援物資のほぼ4分の1に当たる。関係者2人によると、11月は集計中だが、はるかに深刻な見込みだ。 11月中旬に国連機関がチャーターした109台のトラックからなる車列はIDFから予定より数時間早く検問所の出発を命じられた直後に攻撃を受けたが、近くにいたIDFは介入しなかったと、事件を知る5人の関係者は指摘した。 IDFの報道官は、10月に合意された内容や略奪行為を抑制するために取った措置に関してコメントを避けた。 米国務省はイスラエルの10月の言明内容についてコメントを避けたが、略奪行為が依然として援助物資の輸送の最大の障害となっていると述べた。 国連のデータによると、国連の救援機関が各月に食料を支援できるガザの人口の割合は11月に29%と、前月の24%から上昇したものの、4月のピーク時の70%超から大幅に減っている。 ロイターが確認した集計によると、10月にはガザ南部のケレム・シャローム検問所で集められた援助物資の40%が略奪された。