ヒーローになった才木浩人は「５勝目」をアピール

　阪神・才木浩人投手（25）が19日、雨中の甲子園でヤクルト打線を相手に粘投し、ハーラートップの5勝目を手にした。 　初回に不運な内野安打や四球もあり、一死満塁のピンチを背負った。ここでサンタナの左犠飛とオスナの右前適時打で2点を献上。それでも「3、4点目をやらなかったことが大きかった」と才木が振り返ったように、見事に立て直した。 　2回から6回まではゼロ行進。2点リードで迎えた5回は連続四球で二死一、二塁とピンチを迎えたが、サンタナをフルカウントから外角低めのスライダーで見逃し三振に仕留めた。122球を要しはしたが、悪コンディションの中での6回5安打2失点は合格点に違いない。 　前回登板した12日のDeNA戦（横浜）では4安打完封。1―0での勝利に「もう少し点取ってほしい」とヒーローインタビューで思わず〝グチ〟をこぼした。自身の登板時には平均得点2点以下というのは事実であり、この日は登板中の4点を含め7得点と打線も機能した。 　この日のお立ち台ではインタビュアーから前週の〝グチ〟について振られたが「そんなこと言いましたっけ？」と絶妙にボケてみせた。神戸市出身とあって軽妙な関西トークは健在。雨天でも声援を送り続けてくれた虎党の笑いを誘った。 　女性来場者の増加を目指し、球団ではこの3連戦を「TORAKO　DAY」と称してイベントを開催していた。才木は「恋人にしたい人ランキング」でトップにノミネート。この3日間の来場者の女性比率が過去最高の55％と発表されたが、こちらにも貢献した模様だ。 　お立ち台では特別に小学4年生の山本紗良ちゃんから質問を受けた。自身が女性ならどの選手が好きかと問われると「恥ずかしいですが、木浪さんと近本さんが好きです」と隣に並んだ2人の先輩をご指名。スタンドから爆笑を誘った。 　こんな雰囲気も勝てばこそ。まだ5月で5勝。雨ならぬ、勝利を呼ぶ右腕から今季大ブレークの予感がプンプンしてきた。