「貯蓄3000万円以上」の割合は?70歳代・2人以上世帯の平均貯蓄額をチェック
現役世代ほど「年金だけに頼らず」老後の準備を進めている
現在老後の生活を送っている方の状況を確認してきましたが、「リアルな実態」を知り不安になった方も多いのではないでしょうか。 内閣府の「生活設計と年金に関する世論調査(令和5年11月調査)」によると、年齢を重ねるほど「全面的に公的年金に頼る」割合が多くなっています。 リタイア後も働くシニアは増えていますが、現役時代のような給与収入を得るのは難しいでしょう。 また、健康寿命からいつまでも働き続けられるとは限りません。 こうした理由から、年齢を重ねるほど「全面的に公的年金に頼る」生活設計となると考えられます。 では、現役世代の人たちは老後の生活設計において、公的年金をどのように位置づけているのでしょうか。 同調査結果によると、30歳代の54.7%、40歳代の60.3%、50歳代の58.4%の方は「公的年金を中心に、個人年金や貯蓄などを組み合わせた老後の生活設計を行う」としています。 これから少子高齢化がさらに進み、公的年金のみでの生活はより難しくなると考えられます。 昨今の物価高による家計への影響や、定年退職、健康寿命なども考慮したうえで、老後の生活に向けた資金計画を立てられるとよいですね。
【ご参考】70歳代・二人以上世帯の貯蓄額(金融資産保有世帯のみ)
・100万円未満:7.0% ・100~200万円未満:6.3% ・200~300万円未満:5.4% ・300~400万円未満:5.8% ・400~500万円未満:3.1% ・500~700万円未満:7.7% ・700~1000万円未満:7.2% ・1000~1500万円未満:12.7% ・1500~2000万円未満:8.2% ・2000~3000万円未満:9.1% ・3000万円以上:24.3% <貯蓄額平均と中央値> ・平均:2188万円 ・中央値:1100万円
参考資料
・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」 ・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・内閣府「生活設計と年金に関する世論調査(令和5年11月調査)」 ・厚生労働省「2023(令和5)年国民生活基礎調査の概要」 ・総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編) -2023年(令和5年)平均結果- (二人以上の世帯)」 ・日本年金機構「ねんきん定期便はどのような人に送っているのですか。また、いつ作成して、いつ送られるのですか。」
安達 さやか