【闘病】生まれた娘は「左心低形成症候群」それでも手術・大量の薬の服用を乗り越える理由
「当たり前」の毎日にこそ、たくさんの幸せがある
編集部: 現在の体調や生活などの様子について教えてください。 S.Hさん: 現在の娘の体調は落ち着いています。生まれてからしばらくは24時間在宅酸素をしていましたが、保育園入園と同時に、夜間のみ在宅酸素の使用に切り替えました。内服薬は10種類以上ありますが、朝・晩頑張って飲んでいます。小学校入学時は普通のクラスに在籍しましたが、体力面など考慮して2年生から娘のために「特別支援学級病弱児クラス」を新設していただき、転籍しました。生活の中で制限などもありますが、娘のペースで小学校生活を送ることができています。 編集部: お子さんの病気を意識していない人に一言お願いします。 S.Hさん: 「当たり前」というものはなく、一瞬の時間はかけがえのないものだと思います。そして、日々の生活にはたくさんの幸せがあるということをお伝えしたいですね。今、目の前にあるものを大切にしてほしいです。 編集部: 医療従事者に望むことはありますか? S.Hさん: 命を救ってもらい、感謝しかありません。私自身も看護師ですが、尊敬の想いが強くなりました。そして落ち着いたら私も仕事に復帰して、恩送りしたいと思っています。また、闘病生活の初めの頃は分からないことが多い上に誰にも相談できず、孤独でした。そんな時、気軽に話を聞いてもらえる体制があれば、もう少し精神的に楽になれたのかなと思います。 編集部: 最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。 S.Hさん: 娘が10年早く産まれていたら助けられなかった命だったかもしれません。いまだに根治術はなく、未来が確約されていない、難しい病です。娘は痛くて辛い経験もたくさんしてきましたが、その分、誰よりも強く優しい女の子に育ってくれました。だから今ある命に感謝し、助けてくれた医療従事者の方々や支えてくれた周りの方への感謝を忘れないようにします。そして、これから先も与えられた命を精一杯輝かせられるよう娘を支えていきたいと思います。