プロテリアル、折りたたみスマホ画面向け新「チタン合金箔」発売
プロテリアルは25日、フレキシブルディスプレー用に耐久性を向上させたチタン合金箔の販売を開始したと発表した。スマートフォン大画面化の方法として注目される屈曲可能なフレキシブルディスプレーで、放熱や機械的強度向上のために配置される背面板向けの材料。折りたたみ式スマートフォンでの採用を目指しており、開閉への耐久性・デザイン性向上に加え、軽量化への貢献も期待できるとしている。 一般的に用いられるベータチタン合金でさまざまな工夫により耐久性を高めたもの。グループ企業のプロテリアル金属が開発し同社北日本工場で製造する。 折りたたみ式スマホ開発では屈曲可能かつ柔軟なフレキシブルディスプレー技術の進化が重要。デザイン性向上・薄型化に向け、折り曲げ部分の曲げ半径を小さくする必要があり、より耐久性のある材料などが求められている。特に背面板はディスプレーとともに折り曲げられるため、繰り返し曲げへの耐久性が要求されていた。 現在、背面板には主にステンレス板・箔を使用。冷間加工による材料強度向上や曲げ部にメッシュ状の加工を施すなどして、曲げた際に内部にかかる力への耐久性を向上させている。ただ冷間加工では背面板が磁性を帯びタッチペンなどの使用に支障が生じるほか、メッシュ加工ではディスプレーに凹凸が生じ外観上の不具合が生じることが課題だった。 同社では課題克服に向けステンレスと比べしなやかで冷間加工後も非磁性かつ軽量なチタン合金に着目し、強度の最適化など耐久性向上の取り組みを推進。ステンレスより繰り返し曲げへの耐久性が高く、曲げ半径も3分の2程度に小さくできるチタン合金箔を開発した。 ディスプレーメーカーにサンプル提供し数社から高評価を得たことから市場投入する。売上目標は2026年度に1億5千万円で長期的にはさらに拡販を目指す。