河村勇輝の現在地…パフォーマンスに加えてコミュ力の高さを発揮してグリズリーズの一員に
「レベルが高い」と感じたGリーグでチームを引っ張る司令塔に
これまでBリーグや日本代表でプレーしてきた河村だが、世界最高峰の舞台に来て、施設のサイズや充実した器具、選手をサポートするスタッフの多さや、一人ひとりに専用のipadが配られて、ハーフタイムにそれぞれが前半のプレーを見直して後半に臨んだり、前の試合に出た自らのクリップや次の試合でマッチアップする選手のパーソナル動画を見て準備するなど、テクノロジーを多いに活用している点をこれまでとの違いに挙げた。 メンフィスでの生活ではアジア系のスーパーで買い物をして自炊しているため、日本食に困ることもないという。 そんな中、現在コーチと取り組んでいることは、「ディフェンスの部分でオールコートにしっかりとアグレッシブにやっていくこととアシストの部分。チームとしてドライブしたらどういう動きをするとか、そういった決まりごとはあるので、それをしっかりと遂行していくこと」だという。 河村は、16日のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦を前にグリズリーズを離れ、同傘下のGリーグチーム、メンフィス・ハッスルでプレーする見込みとなった。NBAで学べる機会を大切にしながらも、数度練習に参加して「レベルが高い」と感じたGリーグは、チームを引っ張る立場を経験できる好機となる。 ただ、NBAの舞台で勝負が決まったあと数分プレーしようとも、Gリーグで主力として長時間プレーしようとも、変わらないことがある。 「1秒でも40分でも48分出ても、全力で戦うことは変わらない」というバスケットを始めた時から持ち続けているモットーで、それがプレシーズンゲームで河村の成功を呼び寄せた。 今後GリーグとNBAを行き来する中で、よりNBAゲームを学び、よりプレーを上達させ、自信を得てたくましくなるだろう。 その後に見るグリズリーズのロッカールームは、どのような光景だろうか。河村の一歩一歩の前進・変化をしっかり見守りたい。 文=山脇明子
BASKETBALL KING