「見分けがつくように出して」ゴミ収集員が危険、大掃除の分別で注意すべきポイントを聞いた
今年も大晦日が迫り、大掃除に励むシーズンがやってきた。1年の締めくくりということで思い切った断捨離に踏みきり、ついついゴミ袋がたくさん・・・という人も多いはず。その裏で大忙しとなるのが、ゴミを回収する収集員だ。 【写真】ピザの箱はこんなに小さくなる! 年の瀬はゴミの量も増えることもあり、分別が不十分になりがちなのだとか。そこで、大掃除や年始にそなえて注意すべきポイントを、家庭ごみや事業系の廃棄物を回収する「大栄衛生」(本社:兵庫県西宮市)に教えてもらった。 ■ 大掃除後にはゴミの量が1.5~2倍に ──大栄衛生では、一般家庭から出る廃棄物の回収もおこなっているとのこと。やっぱり、大掃除シーズンの年末やその後の年始はゴミが増えるのでしょうか? 家庭のゴミもですが、事業者さまからのゴミも普段の1.5~2倍くらい増えます。ゴミの種類も、大掃除で出したと思われるものが増える印象ですね。年末は粗大ごみの回収や持込が集中するため、混雑を避けるためにも早めにゴミ出しすることをおすすめします。 ──回収業者として、「これをしてくれたら助かる」というポイントがあれば教えてください。 基本的に、各自治体のルールに沿って処分をお願いできればと思います。あとはすべてを燃えるゴミに出すのではなく、雑誌や牛乳パックなど、資源はきちんと分けて出していただければ。 また、飛散を防止するため水分を含むものを出す場合は「水気を切った状態」での廃棄処理もお願いしたいです。それと、シュレッダーで出た紙の切れ端も飛散しがち。なので袋に入れたら中の空気をしっかり抜いた状態でゴミ出ししていただければ大変ありがたいです。 ■「安全のため見分けがつくように出して」 ──なるほど。大掃除シーズンになると多種多様な廃棄物が出ると思うのですが、やはり処理が難しいものもあるのでしょうか? 残量が残ったリチウムイオンバッテリー入りの小型機器やライターなどは、燃えるゴミと一緒に捨ててしまうと火災の原因となり非常に危険です。バッテリーだけでなく、小型充電式電池(ニッカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池)も同じくですね。また、剝き出しの刃物やスプレー缶なども家庭ごみとして出されがちですが、こちらも回収時に刺さったり事故につながる可能性があります。 過去には、糖尿病患者が使用する注射針など感染症の恐れがあるものが捨てられたり、割れたガラスがそのまま捨てられているというケースがありました。 ──大栄衛生さんも危険なケースに遭遇したことがあるんでしょうか? 電池やスプレー缶が原因でゴミ回収車の貯留タンク内で火災が発生した場合、ほかに燃え移らないよう、広い安全な場所へ移動し積み荷を出して消防車を呼ぶことになっております。実際に、そのような重大な事故につながるケースが発生したこともあります。 ──一歩間違えれば大変なことになっていたんですね。最後に、ゴミ出しの際気をつけるべきポイントを教えてください。 やっぱり、処理する者がケガをしそうなものは、安全のため見分けがつくように出してもらうということが第一ですね。もちろん従業員の安全に関わるような廃棄物は十分に気を付けて回収していますが・・・。みなさまにも、ゴミ出しをする際には適正な処理をお願いしたいです! ◇ ちなみに、記事内にもある危険物の処理方法は、大阪市の場合ならスプレー缶は使い切ったあと透明の袋に入れて資源ごみの日に出す、ライターは使い切り中身がなくなったのを確認してから普通ごみで出す、刃物やガラスなどは厚紙で厳重に包み「キケン」とわかりやすく書いたうえで普通ごみに出すよう定められている。分別や回収方法は自治体によって異なるので、まずは市町村のサイトを確認してみてほしい。 文/つちだ四郎