安達祐実、天才子役から奇跡の36歳へ 「役にこだわりなく」やってきた結果
36歳にして芸歴34年の安達祐実。私生活では2児の母だが、年齢を重ねてもなお、美しいビジュアルがたびたび注目されている。女優業では、今年4月スタートの「警視庁・捜査一課長」(テレビ朝日系)で、レギュラーメンバーに加わり大きな話題となった。 その後はドラマ「婚外恋愛に似たもの」(dTVで配信中)に出演する。原作は2017年にドラマ化され人気を博した『校閲ガール』などで知られる作家・宮木あや子氏の同名小説で、イケメンアイドルグループのオタクという共通点を持つ35歳の5人の女性を描いた物語だ。その中で安達は「普通」が一番の専業主婦を演じている。
男性アイドルグループに夢中、普通の専業主婦役に
5人の女性たちが熱をあげるのは、「スノーホワイツ」という男性アイドルグループだ。2歳でモデルデビューし、ドラマ出演などで天才子役として早期から注目される側の存在だった安達にも、アイドルに夢中になったという経験はあったのだろうか? 「私は、そういうのはぜんぜんなくて……」と想定内の答えだったが、今作でのアイドルファン疑似体験を通して、アイドル魅力の一端に触れることができたという。 「5人の女性がそれぞれ生活の中で、いろいろな悩みを抱えているのですが、アイドルに夢や希望をもらうことで、心が元気になり前を向いて行ける。そういう部分があるんだなって、今回やってみて思いました。すごく輝いていたり、頑張っていたり、そういう姿に観ている人たちが勇気づけられるのがアイドルという存在なんだろうなって」
登場人物にはそれぞれ抱えている悩みや問題もあるが、けっして重苦しいドラマになっていないのは、アイドルから元気をもらっているアイドルオタクという設定がプラスに作用しているからだろうか。 「実際考えるとシリアスな出来事はあるけれど、それを笑える方向へ振っているドラマなので、重たい気持ちにはなりません。共感してもらえるような日常の悩みを面白おかしく描いているんです。ちょっと何か悩んでいたり落ち込んでいたり、何となく元気が出ない人に観てもらえれば、『そうか、そんなに悩むことじゃなかったかも』とか、すっきりした気持ちで元気を出してもらえるかなと思います」 そんな中で安達が演じる普通が一番の専業主婦役は、普通であるがゆえになかなか難しいような気もするが……。 「あまり周りから攻撃を受けないために“普通”でいるのが一番だと思っている人で、実際に普通かどうかというのはまた、ちょっと別の話で。専業主婦だけど熱狂的にアイドルのファンだったりするので、監督からも『あまり普通であることを意識せずに』と言われていました。なので、普通に専業主婦を演じようという気持ちではなかったんです」