⚽全日本高校女子サッカー 常葉大橘/静岡県制覇自信に勢い 藤枝順心/組織力で攻守全う 29日開幕
第33回全日本高校女子サッカー選手権は29日、兵庫県で開幕する。静岡県勢は、6年連続16度目の常葉大橘と、3連覇を目標に掲げる21年連続21度目の藤枝順心が出場する。藤枝順心は1回戦で近江兄弟社(滋賀)、常葉大橘は専大北上(岩手)-日本航空石川の勝者と2回戦で、それぞれ初戦を戦う。
常葉大橘 団結力武器に全国制覇へ
常葉大橘は、全国高校総体女王の藤枝順心を破って13年ぶりに県大会を制し、勢いに乗る。前回大会の初戦で強豪・常盤木学園(宮城)を下した時のメンバーが多く残り戦力も充実。後藤監督は「良い守備を攻撃につなげ、果敢にプレーできれば」と展望を描く。 前線の主軸はU-17(17歳以下)日本代表経験のあるFW松浦。藤枝順心との県決勝では後半12分に、DF小沢からのクロスを頭で合わせ決勝点を奪った。練習で繰り返した形を要所で体現し自信を深めている。「前回大会では思い通りにいかず無得点。今回こそは点を取りたい」。勝負強さが備わったストライカーが全国での活躍を期す。 後藤監督が守備のキープレーヤーに挙げるのはセンターバック小島。物おじしない性格で強気にボールを奪い、状況に応じた的確な声かけでチームの連動性を高めている。ゲームメークに優れるボランチ松尾らとともに、ビルドアップの中心としても存在感を放つ。 中高一貫で中学からのチームメートが多いのが特長。団結力を武器に過去最高の8強を超え、全国制覇を目指す。1年時から正GKを務める主将田尻は「静岡1位として出場できるのは自信になっている。でも全国で負けたら意味がないので絶対に勝ちたい」と強調。一戦一戦を大切に、頂点まで駆け上がる決意だ。
藤枝順心 全国大会5季連続優勝へ
高校総体と合わせ、全国大会5季連続優勝を目指す藤枝順心。県大会決勝では常葉大橘に敗れたが、「収穫のある試合で、ネガティブに捉えてはいない。今集中力が高まっている要因になっている」と中村監督。修正点が見えたことで、よりチーム力は向上している。 個の力が際立った前年に比べ、組織力に勝る今チームは全員が支え合い攻守を全うする。攻撃はWEリーグ千葉入りが内定しているボランチの共同主将植本が広い視野を使って前線にボールを供給。多様な形からゴールに迫るスタイルが持ち味だ。前線では前回の選手権でも活躍したFW藤原が主軸。競争も激化し、毎試合活躍する選手が変わる好循環が生まれている。 橘戦ではヘディングシュートでワンチャンスをものにされた。反省を生かし、守備では優先順位を明確にして柔軟に守り切ることを徹底。要として期待されるセンターバック柘植は「点を与えなければ負けることはない。無失点で優勝したい」。1年時からレギュラーで、WEリーグ埼玉入り内定の3年生が意欲を燃やす。 打倒順心で向かってくる相手にも、あくまで挑戦者として戦う。植本は「共通認識を持って練習し、一人一人に自信が芽生えている。練習で得たものがゲームに出るので、細部まで突き詰める意識を全体に浸透させたい」と本番を見据えている。