「何やってるの?こっちおいでよ」田舎の山間部の一軒家で妹が部屋の窓を“黒い布”でおおった理由
夜中に跨いでいく人たちは…
数年前、土砂災害が起きた。実家は無事だったが、100カ所ほど地滑りして、地域の被害は甚大だった。どうも昔から土砂災害が多い土地のようだった。災害が起きるたびにたくさんの人が亡くなっていた。そう考えると、庭のゴロゴロした大きな石は、流された土砂によって運ばれたものだろう。 夜中に山のほうから跨いでいくのは、流された人たちだろうか。 そういえば家の周りに由緒が不明の社もたくさんあった。神主もいない。舞台のようなスペースもあったが、昔は避難所として使ったりしていたのだろうか。 最近、母親から電話があった。実家のすぐ裏に神社があったらしい。近所の人は誰も認識してないし、Sさんもまったく知らなかった。 母親が言うには、先日、神職の人が来て「閉じる」祭事をやったそうだ。何の神様かはわからない。 松原タニシ氏が厳選した怪談を100話収録した『恐い怪談』から抜粋。 松原タニシ(まつばら・たにし) 1982年、兵庫県出身。松竹芸能所属のお笑い芸人。事故物件に住み続ける"事故物件住みます芸人"として知られる。YouTube「松原タニシch」、「松原タニシのぞわぞわチャンネル」を運営。ラジオレギュラー番組に「松原タニシの生きる」(ラジオ関西)、「松原タニシの恐味津々」(MBSラジオ)などがある。『事故物件怪談 恐い間取り』(二見書房)がベストセラーとなり、著者累計40万部を誇る。 X:@tanishisuki
松原タニシ