イプシロンSロケットのエンジン爆発、3つの異常を確認 JAXA年度内打ち上げ見送り
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、開発中の小型固体燃料ロケット「イプシロンS」の2段目エンジンが先月、2回目の燃焼試験で爆発した際のデータを検証した結果、3つの異常現象が起きていたことが分かったと発表した。今後、爆発との関連を調べる。今年度中に予定していたイプシロンS初号機の打ち上げを、正式に見送ったことも明らかにした。 JAXAによると、燃焼試験開始の約17秒後から、燃料の燃焼でエンジンの容器にかかる圧力が予測値より上昇。圧力は約48・9秒後に下降に転じ、約49・3秒後にゼロになった。下降した段階で、エンジン後部にある燃焼ガスの噴出装置以外の場所からガス漏れが生じ、ゼロになった際に爆発が起きたとみている。これら3つの異常と爆発との関連を調べ、来年2月に調査の進捗を取りまとめるとしている。 また、爆発原因の究明に時間がかかることや、燃焼試験施設の被害が大きく復旧の時期が見通せないことなどから、JAXAはイプシロンS初号機の今年度中の打ち上げを正式に見送った。新たな打ち上げの日程は、エンジンに適切な対策を施し、施設の復旧後にさらなる燃焼試験を行った上で決定するという。 イプシロンSは、平成25年以降6機を打ち上げたイプシロンを改良・強化した最新型。新開発の2段目エンジンは、昨年7月の最初の燃焼試験でも爆発している。