年金月5万円・73歳の紫苑「高い=質がいい」との思い込みでニセモノを購入…安すぎると警戒、そこそこの値段に安心する<安売りのトリック>
◆安売りのトリックを知っておく こんな話があります。 あるスーパーでそれまでの「安売り」「値引き」をやめて、常に適正価格で売り出しをしたところ、途端に客足は途絶え、そのスーパーは倒産の危機に陥ったそうです。急遽、売り方を前に戻し「50%引き」「30%引き」と大売り出しをしたところ、店は再び盛況に。 多くの人は「適正価格」より「安売り」「値引き」のほうにお得感を感じるようです。 確かに「適正価格1万円」より、「2万円のお品を半額の1万円で!」と表示してあるほうが、お得な気がします。 わたしもよく引っ掛かったものです。 それを使うたびに「本当は2万円のお品」と満足なわけです。最初から本当の価値は1万円でもね。 こんなトリックに多くの人が引っ掛かるのには、いくつかの理由があります。 (1)その品物の値段が本当に適正価格なのか、見分ける力がない。 (2)2万円の品物が1万円で買えると思うことで、1万円得したと思う。 その品物が本当に2万円の価値があるのかどうかはわかりません。買わない選択をすれば、1万円は手元に残ります。それでも「使うお得」を選ぶ。 (3)高級品のトリックを知らない。 ニセモノのブランドバッグは、たとえば本物が15万円だとすると、2万円で売るより6万、7万円で売るほうがよく売れるといいます。 2万円ならニセモノだからこんなに安いのだろうと思ってしまいますが、6万円だと本物と思ってしまう。
◆恥ずかしい失敗 ブランド品に関してはわたし自身、恥ずかしい失敗をしたことがあります。 大金を得る機会があったとき、駅の近くの店であるブランドのバッグを買いました。新しい型だし、と7万円で購入。おまけに蜂蜜で作ったボディスクラブまでくれました。 安い上におまけ付きだ! ある日、電車に乗ったときのことです。バッグを膝に置いて座っていると、いかにもなおじさんがスタスタとやってきて一言。 「そのバッグ、ニセモノだよ」 幸い、電車は空いていましたが、それでも周りの人がチラ見しています。 「ほら、この部分が反っているだろ。ニセモノの印。見る人が見るとすぐにわかるよ」 そのあと、こう続けました。 「ニセモノはただの塩化ビニールだから数千円、まあ、本物だって素材は同じだけどね」 そのニセモノバッグは、今も押し入れの奥にあります。ニセモノと断言されたバッグは使うに使えず、それでもブランド仕様の模様が目立つので捨てるに捨てられない。いつか袋に入れて捨てるしかないですね。 「値段が1万円程度だったら買ってなかったな……」と思うと、自分の愚かさが恥ずかしくなります。 かつてのわたしほどではないでしょうが、高いモノ=質がいいという思い込みは多くの人にあります。その心理的な誘導効果は結構大きいものです。 ※本稿は、『73歳、月5万円でますます快適! 「ちょうどいい」を自分で創る ごきげんプチプラ生活』(廣済堂出版)の一部を再編集したものです。
紫苑
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