車好きオジサンの願いは「フェラーリを超えろ!」いまマセラティにチャレンジしてほしいこと。
現在までの流れをサラリと追うと、家族経営のレース屋時代、市販GTを作ることになるオルシ家の時代、ボーラなどスーパーカーを生んだシトロエン傘下の時代、パンテーラとラグジュアリーGTの量産を目論んだデ・トマソ時代、フィアット傘下となりフェラーリの下に置かれたモンテゼモーロ時代、 フェラーリの独立からFCA傘下となり徐々に独自色を強め現在に至ります。
神輿の担ぎ手がいかに変わろうとも、マセラティの伝説はいまも生きています。それは創業家のいないファッション界のスーパーブランドも同様。創業期に築き上げたブランドイメージには絶大な力があります。
マセラティが最初の市販車(マセラティA6 1500)を世に送り出した1941年。マセラティ兄弟はこのモデルを見ることなく会社を去った後でした。そんな兄弟の遺産ともいうべき直6エンジンをベースに市販化に漕ぎつけたのは後任者であるアルベルト・マッシミーノでした。
マッシミーノはヴィットリオ・ヤーノの下でフェラーリ246 F1の車体設計を行っていただけに、後のモデル(A6Gシリーズ)も成功を収め、マセラティのブランド力は市販車でも評価が高まっていきました。で、いまがあるという時代の大まかな流れなのです。
フェラーリとマセラティ。いまは事業戦略は異なりますし、また、顧客層も違います。しかし、大枠でステランティスグループとはいえフィアット傘下のブランドとして格式における頂点にあるのはアルファロメオではなくマセラティです。 まだまだエピソードはあるのですが今回はこの辺で。皆さんも是非、各ブランドの生い立ちや歴史に触れてください。数々の人間ドラマについ時間を忘れ過ごしてしまうこと請け合いです。 Text:Seiichi Norishige
教重 誠一