スーパーマーケット「ライフ」店舗で食品寄贈の実証実験 “やむなく捨てられる食品”を必要としている人たちへ
賞味期限・消費期限が短いなどの理由で、まだ食べられるのに販売できなくなった食品を、食料を必要としている人たちへ――。食品ロス削減月間の10月、一般社団法人「サスティナブルフードチェーン協議会」 (東京)は、ライフコーポレーション(東京)、こどもの機会格差の解消を目指す「ネッスー」(東京)と連携し、スーパーマーケット「ライフ扇大橋駅前店」(東京都足立区)で食品寄贈の実証実験をスタートした。食品ロスとこどもの貧困という2つの社会課題の解決を並行して目指していく。 日本では年間約472万トン(2022年度推計)の食品ロスが発生しており、そのうち49万トンは小売店での発生量。小売店でも需要を細かく予測するなどして食品ロス発生を減らす努力をしているが、一定量の廃棄は必ず発生してしまう。一方で、日本では約9人に1人の子どもが相対的貧困の状態(2021年時点)にあり、子どもの貧困も深刻な社会問題となっている。 実証実験は、ライフ扇大橋店で賞味期限・消費期限が短い、外装が破損したなどの理由でまだ食べられるのに通常は廃棄されている農産品(野菜・果物)・日配食品の中から、店舗スタッフが寄贈できるものを選別し、受け渡しの冷蔵庫に格納する。受け取り参加の団体・個人は、専用のマッチングサイトから商品を選択し、付与されるポイントを使って決済(無償)。その後、当日中に店舗で受け渡し冷蔵庫を解錠し、自分が選択した商品を持ち帰る。受け取り参加者は、近隣地域のこども食堂4団体(こども食堂がるまる・こども食堂3つの木・子ども村ホッとステーション・らんたん亭)と、支援を必要とするひとり親世帯等 20世帯程度。期間は11月30日(土)まで。 店舗で排出される食品ロスの約8割を占める農産品(野菜・果物)・日配食品を、子ども支援に活用することで、約30万トン(小売店での食品ロス発生量49万トン×農産品・日配食品の割合80%×寄贈実現率80%)の食品ロス削減効果が期待できるという。