星野真里「ここがひとつの転換期だったと思います」児童劇団から大人気ドラマに大抜擢
子役時代を経て、ドラマ『3年B組金八先生』(シリーズ4~)で金八先生の長女・乙女役で注目を集めた俳優・星野真里さん。子役から多くの人々を魅了してきた星野さんも、今では結婚して俳優の仕事と並行して、妻として、母として尽くす日々を送っている。そんな星野さんだが、先日自身の長女が指定難病「先天性ミオパチー」に罹っていることを公表した。星野さんのこれまで、そしてこれからのCHANGEを聞いた。【第1回/全5回】 ■【画像】星野真里、加藤ローサとのオフショット!アラフォー同士で10年以上ぶりの連ドラ主演 芯のある優等生──星野真里さんに抱くイメージは、これまでこなしてきた役柄のこともあってか、そんな感じである。そして取材の日、目の前に現れた瞬間もそれが崩れることはなかった。 星野さんが俳優として歩み始めたのは小学1年生の頃であった。 「当時、弟がオーディションに受かってテレビCMに出演していたんです。もともとテレビが大好きだったので、その世界に出ていた弟が羨ましかった…というか、私もやりたいという気持ちがあって児童劇団に入ったんです」 子役として活躍を続ける中で、1995年に大ヒットドラマ『3年B組金八先生』のシリーズ4で武田鉄矢演じる金八先生の長女・乙女役に大抜擢された。この乙女役は、2011年に放映された「ファイナル」まで続いた。星野さんはシリーズ4の撮影が終わったタイミングで児童劇団から、いわゆる芸能事務所へ移籍した。 「それこそ、小学生の頃からずっと“女優さんになりたい”と言っていて、“将来の夢は?”って訊かれても“女優さん”って答えていました。漠然とではありましたけどね。ご縁があって芸能事務所に入ることが出来たんですが、それからは“仕事とは何か”というような事をきっちりと教えてもらいました。ここがひとつの転換期だったと思います」
”良い子”とは対照的な役にも挑戦
俳優の仕事を辞めたいと思ったことはなかったそうだが、20代前半の頃はやっていけるのかという不安を抱いていた。 「やっぱり、自分のお芝居に自信がなかったんでしょうね。子役から段々と年齢が上がるにつれて、求められるモノも段々と高度になっていくと感じたんです。でも仕事の充実感というより、それに自分がついていけるのかという不安の方が大きくなって……。なので、お仕事をいただけるのは嬉しいんですけど、期待に応えられているのかすごく不安でした。俳優という仕事は好きだけど、このままやっていけるのかな……と常に思っていたんです」 子役時代は、セリフを覚えて現場に入れば「よく出来たね」と褒められていたが、徐々にそれだけでは済まなくなってきた。 「やっぱり芸能事務所に入ってからは様々な役を演じさせてもらえるようになり、役の幅も広がっていったんです。それまでの、いわゆる“良い子”だけじゃない部分を求められた時に、自分の引き出しの無さを実感したんだと思います」 その当時(20代前半)の頃に演じた役で”良い子”とは対照的だったのはドラマ『QUIZ』(2000年4月)での菅井恭子役が当てはまる。『QUIZ』は東京郊外の閑静な住宅街で起きた幼児誘拐事件に挑む警察と犯人のスリリングな犯罪ドラマだ。ここで星野さんが演じたのは誘拐された幼児の向かいに住むひきこもり。誘拐事件を実況生中継するホームページを作成する女子で、母親に憎悪を抱き故に口汚くののしり、摂食障害で笑い方も何かを孕んでいる……といったキャラだった。 「あれだけ振り切っている方が表現しやすかったりもするんです。リアルな日常だったり自分と近かったりする方がかえって難しいんですよね。何気ないセリフや動作、演じるキャラが抱いているモノをほんのちょっとだけみせるというのはお芝居として高度だと思うんです。俳優の世界ってそもそもが答えが無い世界ですので、それが良いのかダメなのかを判断するのは監督なんですよね」 星野真里(ほしの・まり) 1981年7月27日、埼玉県生まれ。O型。T156。幼少の頃から児童劇団に所属しCMやテレビドラマに多数出演。2005年に公開された映画『さよならみどりちゃん』で映画初主演を果たし、第27回ナント三大陸映画祭で主演女優賞を受賞。近作に、『ビリオン×スクール』、『全領域異常解決室』などのドラマや『新生!熱血ブラバン少女。』などの舞台がある。 鈴木一俊
鈴木一俊