松山市の土砂崩れ 原因究明の検討委が現場視察 崩れた斜面に「パイピングホール」を新たに確認
南海放送
今月12日に愛媛県松山市で発生した土砂崩れ。その原因を究明する検討委員会の初会合が、きょう開かれました。会議では、崩れた斜面には「パイピングホール」と呼ばれる水の通り道が新たに確認されたと報告されました。 杉本記者: 「現地調査のため今委員の皆さんが斜面を登っていきました」 松山市緑町の土砂崩れ現場を視察したのは、国交省や愛媛大学の専門家らでつくる「技術検討委員会」のメンバーです。 県砂防課: 「だいたいこちらから90mくらいの高さのところから今の現在地まで土砂が流出して」 この委員会は、今月発生した土砂崩れの原因究明と再発防止を目指し県が設置しました。 松山市 市街地整備課: 「水の流れとしてはこちら側が集まってきてですね、こちらから排水されていたと市では管理していた状態」 委員は、山頂付近にある「緊急車両道路」などを視察し、地質や水の流れを確認していました。 県庁で行われた会議では県の担当者が、これまで行ってきた現場の調査結果を報告しました。 県砂防課: 「斜面の中腹に近づきますと、斜面左側から透明な水が流入しているのが確認できます」 県の担当者は、谷状になっている崩れた斜面は、山の上部以外にも様々な方向から雨水が流れ込み水が集まりやすい地形だったと説明。 さらに… 県砂防課: 「中腹の左側に地表踏査によりパイピングホールが確認されています」 「パイピングホール」と呼ばれる地中などを流れる“水の通り道”が確認されたということです。 国交省 砂防研究室 鈴木啓介所長: 「(パイピングホールは)今回の土砂が流れ下っていったところには、側方から水が集まるような環境だったと呈しているような1つの情報だったと理解してます」 愛媛大学工学部 森脇亮教授: 「どういった経路で水が流れてきていて、それがどういうふうに斜面を不安定化させながら流動化させるきっかけになりえたのか、いろんな可能性を検討していくことが大事になってくる」