映画『カミノフデ~怪獣たちのいる島~』 特撮監督・佐藤大介プロデューサー独占インタビュー!【前編】
■登場する怪獣たちの秘密「『村瀬さんを象徴する怪獣ってなんだろう』って」
(新行)『カミノフデ』には、ヤマタノオロチ、ムグムグルス、ゴランザなどが登場します。ゴランザなどは、村瀬さんが書いたプロット『神筆』には既に盛り込まれていたそうですが、ヤマタノオロチやムグムグルスを映画に出そうというのはどのようにして決まったのでしょうか。
佐藤:ヤマタノオロチは、会議で「村瀬さんを象徴する怪獣ってなんだろう」と皆で考えた時に、「やっぱりキングギドラだよね。」という話になりまして。『日本誕生』でヤマタノオロチを手掛けていたので、「ヤマタノオロチを出したらフックになるんじゃないか。」ということで物語に入れたという経緯で映画に登場させることになりました。ムグムグルスは中沢健さんが書いたオリジナルキャラなのですが、中沢さん曰くドラットをオマージュしたそうです。 新行:『ゴジラVSキングギドラ』に登場する3匹の可愛らしい怪獣ですよね。 佐藤:最初は、島の設定を伝えるための舞台装置的要素が強かったのですが、いろいろ話が展開していくうちに、重要なキャラクターになっていきました。こういうキャラクターがいることで、作品が和らぎますよね。 新行:今、佐藤さんがムグムグルスを抱っこしていますけれど、モフモフしていますね。
佐藤:特殊な毛を使っていて、目の部分はモスラと同じやり方で作ったはずです。ちなみに、ゴランザは映画『狭霧の國』の怪獣を改造しています。 新行:ネブラですか? 佐藤:そうです。村瀬さんが作った怪獣はそうなるというセオリーにのっとって(笑) 新行:バラゴン的な!(『フランケンシュタイン対地底怪獣』に登場する怪獣)ゴランザの頭は村瀬さんが造形されたんですか。 佐藤:はい。ボディはネブラの改造なんですけれど、頭は村瀬さんが粘土彫刻をやって、塗装も若いスタッフと仕上げていました。 新行:村瀬さんが造形に取り組んでいるお姿はどうでしたか? 佐藤:スイッチが入ると凄いですね。作中の森に登場する巨大キノコも村瀬さんが作ったんですけれど、知らないうちに気がついたら12本くらい作っていたんですよ(笑) 映画『カミノフデ~怪獣たちのいる島』の制作過程について明かした佐藤大介プロデューサー。 中編では、撮影現場の舞台裏に迫る。