みんな意外と知らない「鼻くそ」の疑問を解決する!
「鼻くそというより、そもそも、鼻の持っている機能は3つあります。ひとつ目はエアフィルター機能。鼻から空気を吸いますよね。空気中にはホコリやゴミなどがありますが、それらがそのまま肺に入るとまずい。それをキャッチするために、鼻の粘膜から鼻水を出してネバネバを保ちます。鼻毛も鼻水で覆われることでキャッチしやすくなる。 ふたつ目は空気の保温効果。冬の寒い日に外で深呼吸するとせき込みますが、あれは冷たい空気に対して体が拒絶反応を起こしています。いったん鼻を通してゆっくり吸うと保温される。冷たい空気を温かくしてくれるんです。 3つ目は鼻水を通して空気を取り込むことで保湿される。冷たい、乾いた空気は肺にとって良くないので、潤してくれるんです」 Q.数時間前に取ったばかりなのに、気がついたらまた鼻くそができている気がします。 「実は、鼻水は1日に1.5Lも作られるんです。それだけの鼻水で外気からのウイルスなどの侵入を防いでいます。でも、その1.5L全部が鼻の穴から出るわけではなく、ほとんどは飲んでしまう。90%以上は喉に流れ、喉を守っていく。喉は喉でまた粘液を出しており、それも鼻水の役割によく似ています。 このように、体では絶え間なくずっと鼻水が出続けているので、鼻くそが定期的にできるのは当然。ちなみに、固まるまでの時間は早い場合だと数分。長くても1時間はかからないと思います」 Q.人によって鼻くその多い、少ないってあるのでしょうか。 「先ほども述べましたが、空気の悪い所や湿度の低い所にいると多くなります。ゴミ焼却場で働く人や大きな幹線道路沿いに住む人などは鼻くそができやすいです。ただ、生まれつき鼻くそが多い人、少ない人というのはいません。健康体であれば、鼻くその多さに個人差はない。 元気なうちは小学校高学年から60代くらいまでは鼻くそが出る量は一緒で、どの年代が一番よく鼻くそが出るとかもありませんが、年を取ってくると、唾液も鼻水も涙も減るのに伴い、鼻くそも減ります。 あとは、病気になると違ってきます。風邪を引くとたくさん鼻水が出るのは、体が鼻から入りそうな、または入ってしまった異物を外に出そうとする反応です。アレルギー性鼻炎もそうですが、鼻の異物を洗い流すためにたくさんの鼻水が出るんです」 Q.緑っぽいものや白いものなど鼻くそに色の違いがあるのはなぜ? 「できたて新鮮で健康的な鼻水からできた鼻くそは白っぽく、透明。病気になったり、喉や鼻の炎症がひどいときは、鼻の中でウイルスや細菌と白血球が戦い、その死骸が混ざると黄緑色っぽくなります」