「リアルタイム手話通訳」はVR空間での“異言語手話”実現に繋がるか。WIPOでソニーの新たな特許出願情報が公開
WIPO(世界知的所有権機関)にて、ソニー・インタラクティブエンタテインメントによる「仮想空間における手話の翻訳」に関する特許出願情報が公開されました。 【画像全2枚】 聴覚に障害を持つプレイヤーコミュニティに大きな変化もたらすか WIPOのPatentscopeにて公開された情報によると、この特許は主に仮想空間での利用を想定したもので、片方のユーザーの手話を読み取り、それをテキストとして翻訳後、他方のユーザーの言語における手話としてアバターで出力すると仕組みだとのこと。世界各地で様々な発展を遂げたために地域ごとに異なる手話を、グローバルにゲーム内でも利用できるようにする手段が確立されれば、聴覚に障害を持つプレイヤーコミュニティにとって大きな変革となるでしょう。 手話かどうかを判別してゲームの没入感も損なわぬよう配慮 また、特許にはユーザーがいる空間やシチュエーションによって「手話」なのか、または単なる「ジェスチャー」や「アクション」なのかを判別する要素も含まれており、ゲーム自体の没入感も損なわないよう配慮がされている様子。例えばレストランでは手話が行われる可能性が高い一方で、コックピットや戦闘が行われるような場面では手話を用いられる可能性は低いといったように、動きが手話であるかを判別する一要因とするようです。 ソニーは本技術をVR作品のみならず、従来のタイトルや非ゲームアプリケーションにも利用できることも示唆しており、様々な形での実現を視野に入れていることが伺えます。すぐにでも本技術が利用できるようになるというわけではありませんが、近年アクセシビリティの向上に力を入れてきたソニーの新しい展開に期待が高まります。
Game*Spark 焦生肉
【関連記事】
- “あご”でFPSを楽しむ「障がい者ゲーマー」にゲームプレイのハードルを聞く―当事者から見たアクセシビリティとは?【インタビュー】
- PS5向けアクセシビリティデバイス「Accessコントローラー」はどのように使うべきか―重度身障者ゲーマーにプレイしてもらって見えてきた“課題点”【インタビュー】
- PS5本体アップデート配信─ベータ版に含まれていた新たなアクセシビリティ機能、大容量M.2 SSD対応の他、2つの新機能も追加
- PS5用アクセシビリティコントローラー「Access コントローラー」正式発表!自在に割り当てられるキーマップでより多くのプレイヤーに対応へ
- SIEがGAADにあわせアクセシビリティの意識向上にむけた取り組みを紹介―制約のない世界をつくる