福島東高校長の小林さん 新鉱物「宮脇石」発見 26日から福島県立博物館で展示
福島市の福島東高校長の小林寿宣(としのり)さん(56)は、川俣町の水晶山で新たな鉱物「宮脇石」を発見した。試料を分析した東京大物性研究所の研究者らの論文が25日、学術誌サイトで公開された。26日から会津若松市の県立博物館で展示される他、今後は東京の国立科学博物館(科博)で公開される。小林さんは「水晶山の価値向上につなげたい」と話している。 水晶山にはガラスの材料となる鉱物の採石場跡があり、戦前から4種類の新鉱物が見つかっている。地学が専門の小林さんは福島大教育学部時代からライフワークの一環で鉱物研究をしている。4種類うち1種類は小林さんが船引高教諭の時に採集した「岩代石」で、新鉱物発見は自身2度目となった。 宮脇石の発見は2020(令和2)年、岩石の中に黄色を帯びた透明感のある1ミリ未満の結晶があるのに気付いたのがきっかけ。親交がある東京大物性研究所の研究者に分析を依頼。その後、科博や京都大も加わった。日本鉱物科学会や国際鉱物学連合の審査を経て新鉱物と承認された。鉱物名は科博の研究者の名前にちなみ命名された。
小林さんは、分析技術の高度化が後押しとなって新鉱物の発見が今後も続くとみている。「鉱物研究の活性化につながってほしい」と期待している。文武両道を掲げる福島東高の生徒たちには、実体験を通じて「時間を忘れて熱中できる分野を見つけてもらいたい」と伝えていくつもりだ。