【プリンス関西プレーオフ】興國Bが京都精華との死闘を制し、プリンス関西2部に昇格!
12月15日、高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ2024プリンスリーグ関西 プレーオフ(参入戦)決定戦がJグリーン堺で行われ、興國B(大阪)が京都精華(京都)を1-0で下し、プリンス関西2部に昇格を決めた。 【フォトギャラリー】京都精華 vs 興國B 前日に行われた1回戦で和歌山北を1-0で下した京都精華と、奈良クラブユースを3-2で破った興國Bによる決定戦。序盤から両者拮抗した内容で進んだゲームは膠着状態が続く。 しかし試合は突如として動く。23分、興國Bは右サイドのタッチラインギリギリに落ちてきたハイボールをFW7地道碧(3年)が見事にコントロール。トラップした瞬間を狙っていたDFをコントロールと同時に置き去りにした地道がグラウンダーのアーリークロスを送ると、中央を駆け上がっていたFW9白石湊(3年)がスライディングシュート。このシュートが見事に決まった。 白石が「GKが少し出てきていたし、相手のCBもサイドに食い付き気味だったので、ニアに入り込めればGKの前で触れるかなと思っていた。味方とのイメージも完璧に合った」と振り返ったこのシーン。それまで決定的なチャンスが生まれない展開だった中、地道のスーパープレーもさることながら、白石もその一瞬のチャンスを見逃さず、相手の予測を上回って走り込んだ見事なコンビプレー。この瞬間、二人の意図が一致したことで、興國Bに貴重な先制点がもたらされた。 対する京都精華も、27分にショートカウンターからMF13中村イーサがループシュートを放つと、38分にはMF8上川朔功のスルーパスで抜け出したFW10大石竜聖がGKと1対1になるなど、決定機は作ったものの生かしきれず。1点ビハインドのまま前半を終えた。 ハーフタイムに選手交代を行った京都精華は、後半立ち上がりにも上川がミドルシュートでゴールを狙う。その後もロングスロー、CK、FKと相手を押し込む時間が続いたが、なかなか相手ゴールをこじ開けられない。興國BもMF22佐藤瞭太の強烈なミドルや白石のヘディングシュートなど、惜しいシーンを作ったが追加点は奪えない。 スコアが動かないまま試合が終盤になると、両チーム選手たちの気持ちがぶつかり合う。なんとか追いつきたい京都精華だったが、そこに興國Bの守護神、GK1岩瀬颯(2年)が立ち塞がる。41分にはゴール正面20mの絶好の位置でFKを獲得したが、上川のコントロールショットは岩瀬にセーブされてしまった。 興國Bイレブンは誰一人として最後まで集中を切らさず、遂には最後まで前半の1点を守り切った。ピッチに試合終了のホイッスルが鳴り響くと、京都精華の選手たちは崩れ落ち、興國Bは歓喜に沸いた。 試合後、興國Bの江島洋平監督は「いつ同点に追い付かれてもおかしくない。向こうも京都を1位で上がって来ているので当然強いし、楽に勝てる相手ではない。気持ちの部分で絶対に負けないようにと話していて、今まで来たことのないステージで、選手たちも緊張がありながら、最後の最後まで気持ちのところで1点を守る切るという、今まで見たことのないような彼らの闘志がみれたし、粘りのところが勝利に繋がったのかなと思います」と振り返った。 これで興國はプリンス関西1部を戦うトップチームに続きBチームもプリンス2部に昇格。チームを強化するうえでも大きな一歩となるだろう。 (文・写真=会田健司)