センバツ甲子園 神村学園、勝負強さ発揮 スタンド大歓声 次は大阪桐蔭 /鹿児島
第96回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催)に出場した神村学園(鹿児島)は大会第5日の22日、作新学院(栃木)を6-3で降して初戦を突破した。昨夏の甲子園で4強を経験した選手を中心に攻守で勝負強さを発揮した。次は大会第8日の25日、大阪桐蔭と対戦する予定。【林大樹、長岡健太郎】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 神村学園の先発は、普段は外野手の左腕、上川床勇希(3年)。昨春以来の投手起用だったといい、小田大介監督が「制球力があり球種が多様。守りからリズムをつくる」と起用を決めた。「緊張したが、中継ぎも守備も良いので安心」とマウンドへ向かった上川床は120キロ台の直球や変化球を使い分けた巧みな投球。三回無死満塁での三振を含む7奪三振の快投で作新学院打線を手玉に取って試合をつくった。スタンドで応援した上川床の母、麻美さん(39)は時折祈りながら「こちらは緊張続きで、助けてくれた守備と仲間に感謝です」と胸をなでおろした。 七回からは球威が長所の本来の主戦、今村拓未(3年)が4番手として登板。打たせて取る投球で、最少失点で試合を締めた。母、かおりさん(50)は「冷静に投げられて良かった」と目を細めた。 攻撃では二回、増田有紀(3年)の左翼線を抜ける適時二塁打で先制。母、ひとみさん(44)は「うれしくて、まだ胸がドキドキしている」と喜んだ。三回には主砲、正林輝大(3年)が一塁側アルプススタンドの目の前を通過する本塁打。スタンドは大歓声に包まれた。母、美和子さん(52)は「感無量。打ってくれるかなと思っていた」と祝福した。 五回には主将、川下晃汰(3年)の2点適時打で追加点。甲子園出場経験もある父、友久さん(48)は「仲間がつないでくれたおかげ」と振り返った。 追いすがる相手を八回には2点を加えて突き放した。小田監督は「相手の心のスタミナを削るような粘り強さとつなぐ攻撃をしてくれた」と選手たちをたたえた。