上杉柊平、“表情が見えない”山田孝之の演技に驚嘆「とても衝撃的でした」<七夕の国>
「寄生獣」や「ヒストリエ」などで知られる岩明均の同名漫画を実写化。映像化困難といわれ続けてきた“怪作”「七夕の国」が、ディズニープラスの「スター」で毎週木曜に独占配信されている。同ドラマは、“あらゆる物に小さな穴を開ける”という不思議だが何の役にも立たない超能力を持つ大学生・ナン丸(細田佳央太)が、世界に未曾有の危機をもたらす球体の謎に挑む姿を壮大なスケールで描く超常ミステリー。このほどナン丸と同じ“力”を持つ東丸高志役の上杉柊平にインタビューを実施。作品の印象や役への思い、欲しい“能力”と七夕にお願いしたいことなどを語ってもらった。 【写真】上杉柊平“高志”らが特殊部隊に取り囲まれる事態に…「七夕の国」第8話先行カット ■「すぐに次が見たくなる作品だなと思いました」 ――まずは、完成した作品を見た感想からお聞かせください。 すごく面白かったです。超能力が出てくる作品と言っても決して派手ではなく、割とじめっとした温度感の話。原作の漫画にそういう印象を抱いていたので、映像化した時にどんな感じになるのか興味がありました。 原作の力が大きいのはもちろんですけど、演出や芝居、音の入り方がどれもすごい。先の話が気になって、すぐに次が見たくなる作品だなと思いました。 ――次が気になる演出は、どういうところに感じましたか? カット割りですね。人物ではないものがちょっと入ってくる瞬間だったり、会話しているシーンでは話している人じゃなくて話を聞いている人の顔を映していたり。 話を聞いている人のリアクションを見ることで、視聴者の方はただ物語を追うのではなくて自然と作品の中に入っていける。瀧(悠輔)監督の演出は、そういう細かなところがとても素敵だなと思いました。 ――高志はどんな人物ですか? ただ愛されたくて、ただ認められたい。だけど、その経験がないままに育ってしまった可哀想な奴なのかなと思っていて。その結果、感情の吐き出し方が他の人とは異なっている。 自分が演じたから余計にそう感じるのかもしれないですけど、そんな自分が悪いとは思っていない。そういうキャラクターなのかなと。村や家族など、自分を取り巻く環境のせいであり、親のせいでもある。子どもには全く非がないんだと肯定しながら演じていました。 ――ナン丸役の細田佳央太さんの印象は? 初共演なんですけど、僕は細田くんのことが好きだったので一緒にお芝居できて楽しかったです。 ――細田さんのどんなところに魅力を感じていたんですか? 目が好きなんです。それと、ナン丸というどこかつかみどころがないキャラクターを演じる中で、とてもセリフの言い回しがうまくて。役としては僕が振り回していくことが多かったんですけど、振り回されているナン丸くんは魅力的で、愛らしいなと思っていました。 ■山田孝之とのシーンは「とても衝撃的でした」 ――共演シーンが多かった丸神頼之役の山田孝之さんの印象は? 劇中では、山田さんの顔が見えないんです。声と体の情報しかないのに、何かが伝わってくるということだけではなくて心まで動かされる。これはすごいことで。心や感情の部分にしっかりと筋が通っていれば、表情が見えなくても相手の心を動かすことができることを教えて頂けた。山田さんとのシーンはとても衝撃的でした。 ――劇中でもいろいろな出会いが描かれていますが、これまでの人生の中で運命的だったなと思う出会いはありますか? KANDYTOWN(キャンディータウン)というグループで音楽をやっていたんですけど、メンバーとの出会いは大きかったと思います。その中の1人とは小学校の時に出会っていろいろなものを知ることができたし、職業は関係なくカッコよく生きていくとはどういうことなのかを教えてくれました。 彼もそうだし、グループのメンバーとの出会いがあったからこそ、俳優の仕事をできているような気がします。昔は自分が表に立つことに抵抗があったんですけど、彼らのおかげでその思いを払拭することができました。 ――ナン丸は小さな超能力を持っていますが、上杉さんはどんな能力が欲しいですか? ありがちじゃないものでいうと、髪の毛を自在に伸ばしたい。役作りもそうなんですけど、例えば映画を見ていて、あのジョニー・デップみたいにかっこいい“ロン毛”にしたいなと思ってもすぐには伸びないじゃないですか。そういう時に、今日は“ロン毛”の気分とか、明日は思い切って丸刈りにしてようかなとか。自由自在に髪形を変えることができたら楽しいですよね。 ――作品のタイトルに入っている「七夕」にちなんで何かお願いしたいことはありますか? 3カ月くらい海外に行きたいです。スペイン、モロッコ、フランスetc…、陸続きなのに言語が違う多文化な空間が面白そうなヨーロッパを回ってみたいですね。 ◆取材・文:小池貴之/HairMake:kazuma kimura(skavgti)/Stylist:RIKU OSHIMA