既存の保険証まだ使えます…マイナ保険証移行、病院・薬局で目立った混雑なし 10月現在県内利用率2割、医療系団体は街中で仕組み伝えるキャンペーン
従来型の健康保険証は2日、新規発行が停止され、マイナンバーカードに保険証機能を持たせた「マイナ保険証」を基本とする体制に移行した。 【写真】マイナ保険証がなくても受診可能と呼びかける県社会保障推進協議会のメンバー=2日、鹿児島市の天文館
鹿児島県内の医療団体はマイナ保険証がなくても受診できることなどを街頭で伝えた。鹿児島市内の病院や薬局の窓口でも目立った混雑はなかった。 医療団体や労働組合でつくる県社会保障推進協議会は同市の天文館で、最長1年は現行の保険証を使えるなど仕組みを知らせるチラシを配布した。日高光雄事務局長(60)は「今の保険証を使えなくなると誤解している人も多い。今後もそのまま継続して使えるようにしてほしい」と訴えた。 1日平均約800人の外来患者が訪れる鹿児島市立病院では、マイナ保険証を巡る窓口の混雑はなかったという。半年ほど前からマイナ保険証の利用を呼びかけ、利用率は9月にようやく2割に。医事情報課の片野田康之課長は「手続きなしに高額医療の支払いが限度額までで済むなどの利便性から、利用率は上がってくるのでは」とみる。 厚生労働省によると、県内の医療機関や薬局でのマイナ保険証利用率は10月時点で20.04%。県薬剤師会の沼田真由美常務理事は、在宅介護や施設で暮らす患者への対応が課題と指摘する。「足の悪い人や認知症など自分でマイナカードを取得できない人もいる。施設では保管方法も問題になる」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島