マクラーレンの超高性能モデルは別格でした…「P1」から始まったアルティメット・シリーズの超個性派モデルを一挙に紹介します
マクラーレンF1の20周年を記念した1000馬力仕様の「P1 GTR」
それに続いて誕生した「P1 GTR」は2015年のデビュー。位置づけとしてはP1のサーキット走行専用車であり、また、あの「マクラーレンF1」の生誕20周年を祝うモデルでもあった。リアミッドのパワーユニットの構成はP1から変化はないが、最高出力は1000psにまで高められ、さらにそれを購入するにあたっては、すでにオリジナルのP1を購入していることなど、厳しい条件があった。それをクリアして見事にカスタマーの座を勝ち取ったオーナーには、P1 GTRドライバープログラムが用事され、シミュレータートレーニングやサーキット走行などが行われた。そしてこのP1 GTRの人気があまりにも高かったため、マクラーレンはP1 GTRの公道仕様車、「P1 LM」を5台生産するに至った。こちらもまた1000psの最高出力を誇るモデルだが、軽量化はさらに徹底され、P1 GTRよりさらに60kgの軽量化が果たされていた。
500台限定のうえに、さらに限定の特別仕様車も誕生した「セナ」
このP1シリーズに続いて、マクラーレン・オートモービルが発表したアルティメット・シリーズには、同社とも関係が深い「セナ」の名前が与えられていた。2017年に発表され500台が限定生産されたセナは、最初からサーキット走行を念頭において開発されたモデルで、したがってP1が採用したPHEVのシステムは採用されなかった。その姿はまさにレーシングカーといった印象で、特徴的なのは左右ドアの下部がオプションでガラス化できることで、これもサーキット走行時にはラインを見極める重要な要素になるのは間違いないところだ。 リアミッドのエンジンは、やはり3.8LのV型8気筒ツインターボ。最高出力は800psで、これには7速DCTが組み合わされる。軽量化のために標準モデルではカーボンファイバーを多用したインテリアや、アルカンターラの内張り等々、その仕上げはじつにスパルタンで、オーナーの中にはオプションのレザーインテリアを選択した者もいた。 このセナには、さまざまなバリエーションが登場している。2019年にはGT3カーのシャシーを採用し、さらにエアロダイナミクスを高めた3台の「セナGTR」が、また同年にはやはりマクラーレンのレース史には欠かせないCan-AmがGTRと共通のエンジンを搭載して3台のみを製造。さらには「セナLM」や「セナGTR LM」、「セナXPスペシャルエディション」なども続々と誕生している。アイルトン・セナの名前は、やはりマクラーレンにとって貴重であり、そして偉大なものであることがここからも分かる。
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