勝敗を分けた「ちょっとした差」。浜松開誠館は隙をなくして1年後のリベンジを目指す
[11.16 選手権静岡県予選決勝 静岡学園高 2-0 浜松開誠館高 エコパ] 2年ぶりの選手権を目指した浜松開誠館高は、細部の差で涙を呑んだ。ファーストプレーからFW安藤則斗(3年)がドリブルシュートを放つなど勢いのある入り。プレミアリーグ勢・静岡学園高の切り替えの速い攻守に慣れず、押し込まれる時間が増えていたものの、相手のシュートをしっかりブロックするなど決定打を打たせなかった。 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 だが、前半21分、相手の左クロスに対応したゲーム主将DF岩崎総汰(3年、23年U-17日本高校選抜候補)がしっかりとクリアできず、真上に上がったボールを相手FW乾皓洋(3年)に収められ、先制ゴールを決められた。 だが、1失点は想定内。その後、GK戸塚陸(3年)の好セーブや岩崎を中心としたDF陣のシュートブロックによって追加点を与えない。逆にトップ下のMF森下太陽(3年)がワンツーで中央からゴール前へ割って入るなど反撃。前半終了間際には、相手のミスからチャンスも迎えた。 ハーフタイムにはボールを繋いで攻めることを確認。相手との切り替え勝負で食い下がり、MF川合亜門(2年)や森下、MF橘風芽(3年)からボールを繋いで押し返して見せた。だが、静岡学園の鋭い挟み込みの前になかなかシュートを打てる位置までボールを運ぶことができない。 “切り札”のFW田中脩(3年)がサイドを破ったほか、FW高橋成(2年)のドリブルシュートやセットプレーでプレッシャーをかけたが、決定打を放てなかった。逆に後半40+2分、相手のクリアを繋ぎに行ったところで痛恨のロスト。決定的な2点目を奪われてしまった。 青嶋文明監督は選手たちの健闘を称えた上で、イージーミスが失点に繋がったことを指摘。岩崎は「自分たちが用意してきた守備とかを前面に出して、最後は体張るとか、今までやってきたことを出せたんですけど、1つのイージーミスをするのは開誠館で、そのイージーミスを決め切るのは学園だったんで、本当にちょっとした差だったんですけど、それで試合が決まった」と悔しがった。 そして、「少しの差が学園との違いかなと思いました」とコメント。後輩たちへ向けては、「1年間ほんとに隙なくやれば、今回の2失点のミスとかもなかったと思うんで、ほんとに1年間、この選手権のためだけに、もう隙なく。そういう隙があった場合はすぐに対処して、必ずリベンジをして全国に連れてって欲しいなと思います」とメッセージを送った。 現2年生は浜松開誠館中時代に全国中学校大会で優勝。川合は1年生だった昨年から注目を集め、今年は壁を乗り越える形で先発を再び掴み、決勝でも奮闘した。だが、「前半の苦しい時間帯の時に監督も言っていたんですけど、その大事な時にゲームを動かす選手っていうのが必要っていうのを言ってて、それは得点もそうですけど、 あそこで1本、個人の能力でボール刈り取って、前つけてとか。やっぱ自分がピッチの中心にいるんで、ボランチとしても1個のプレーでチームを活気づけられたりというプレーがもっとできないと、こういう大事な全国大会とかかかった一戦で勝っていくのは難しいかなって感じました」と力不足を認める。 このままでは終われない。川合は「いつも、全中の時も、県も東海も全国も全部、静岡学園さんがずっと決勝にいて、高校に上がっても、去年も静岡学園で、今年もまた同じようにずっとそこの相手っていうか、絶対に倒さないといけないんで。この1年、2年で経験できたことは本当に大きいですし、今年の3年生も本当にお手本のような選手ばっかなので、そこは自分たちも吸収しながら、また来年、絶対ここに戻ってきて、次は倒せるようにしっかり準備して、どんどんまた成長していきたいです」。来年は必ず宿敵に勝って、選手権出場を喜ぶ。