議会議長 百条委の検討「理解できない」 兵庫県議らは疑問視 斎藤知事、告発文書問題めぐり
兵庫県の西播磨県民局長だった男性(60)が斎藤元彦知事らの言動を「違法行為」などと指摘する文書を作成し、懲戒処分を受けた問題で21日、斎藤氏が第三者機関の設置を表明した。この日、斎藤氏に設置を要請した県議会の内藤兵衛議長(自民)は会見で「議会からの声を重く受け止めている」と評価。ただ、地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委員会)については、「どうして並行して出されるのか理解できない」と否定的な考えを示した。議会で検討が進む中での議長の発言に、議員からは批判の声が上がっている。 【時系列でみる】元兵庫県幹部による文書問題の経過 会見で内藤氏は、斎藤氏の対応に「議会からの声を重く受け止めている。(設置を)明言したことは感謝しており、当然あるべき姿だと思う」と語った。 一方で、百条委については、個人的な見解とした上で「どうして並行して出されるのか理解できない」とし、第三者機関の委員選定などに議会が関与することで透明性や客観性が担保されるとの見方を強調。「議長としては押し付けるわけにいかない。議会がどう判断するかということになると思う」とも述べた。 百条委をめぐっては、最大会派の自民などが検討を進めているほか、この日、男性の処分撤回などを県に申し入れた第4会派のひょうご県民連合の幹部が「議会の責任で真相を究明するのがわれわれの務め。6月議会で設置に向けた動きをつくる」と表明した。 こうした動きが続く中での議長の発言に、ある県議は「検討段階で議会を代表する立場で否定する意見を述べるのはいかがなものか。議長として方向性を縛ることのないようまずは自由な議論を見守るべきだ」と指摘。別の県議は「個人的な意見としてでも、議長として開いた会見で、百条委の必要性を否定するのは公私混同だ」と話した。