ゲイカップルは「部屋探し」で一番苦労する…知らないところで行われている「意外な差別」
少子高齢化や働き方の多様化(非正規化)など日本社会が抱えるさまざまな問題が絡み合い、近年急増しているという“住宅弱者”。国籍、セクシュアリティ、経済力、社会的立場など多岐にわたる理由で、賃貸への入居や住宅購入で高いハードルを感じる人は多いだろう。 【写真】38歳会社員が絶句…2500万の「軽井沢の別荘」を買ったら大後悔のワケ 現行法上、同性婚が認められていない日本で、これまで住宅ペアローンを組めずにきたのがLGBTQカップルだが、2017年のみずほ銀行を皮切りに同性パートナーを住宅ローンの配偶者の定義に加える銀行も増えているという。 今回は不動産会社「家や不動産」の代表で住宅弱者支援専門家の會田(あいだ)雄一氏に、同性カップルが新居探しの過程で晒される偏見について話を聞いた。
フレンドリーを謳っていても実際は現場任せ?
「住宅弱者支援に本格的に力を入れ始めたのは、住宅ローンの返済で困窮している方を支援する団体の説明会に参加したことがきっかけです。長年、不動産業界に携わってきた中で何か社会貢献したいと思っていたんですが、その団体でなら自分の知見を生かせるのではないかと思いました」(會田氏、以下同) 「家や不動産」の住宅弱者支援の柱は住宅ローンの返済困窮者・離婚(ひとり親/住宅ペアローンの解消)・LGBTQの3つ。相談件数の割合はそれぞれ3割ほどで、住宅価格高騰で住宅ペアローンでのマンション購入が増えていることなどもあり、最近は少しずつ離婚関連の相談も増えているようだ。 「離婚されるご夫婦はバチバチの紛争状態にあることも多いので、新居探しやペアローンの手続きにまで気持ちも頭も回らない。なので、第三者の人間がフラットに質問や相談できる場が大切なんです。 LGBTQフレンドリーで有名な不動産屋は我々だけでなく、例えば新宿や福岡などにも有名な会社さんがありますが、数としては本当に少ないです。ホームページなどでフレンドリーを謳うところはけっこうありますが、実際は現場の担当者任せで、対応の仕方や考え方にもバラつきもあることも多いようですね」 同居を希望する同性カップルの場合、そのセクシャリティを理由に不動産会社や物件オーナーから部屋を貸し渋られるケースも少なくないようだ。 「入居を断られたり、住居を探してもらえなかったり。そもそもルームシェアできる間取りの賃貸の絶対数が少ないこともあり、管理会社や大家サイドが立場的に強く、入居者を選びやすい立場にあることも背景にはあります。 レズビアンやゲイといった同性カップル、とくに男性同士で入居できるお部屋探しは難航しますね。「まだ女性同士だったらよかったんだけど」などと言われてしまうケースも過去にはありました」