「ニセコ駅周辺」に広がっていた“意外な光景”。日本屈指のインバウンド観光地も、実態は「かなり限られた区画だけ」だった
日本でもなく、北海道でもない「ニセコ」
ニセコのテーマパークっぽさは、そこを訪れる外国人観光客からも感じられる。外国人向けにニセコを案内するホームページを開くと、そこには「How to get to NISEKO(ニセコへの行き方)」というページがあり、「ニセコへのアクセスは、飛行機で新千歳空港まで行き、そこからバスで「ひらふウェルカムセンター」まで行くのが一般的だ。ほとんどの宿泊施設はひらふウェルカムセンターで出迎え、宿泊施設まで送迎してくれる」という。つまり、インバウンド観光客は新千歳空港からほとんど他の場所を経由せず、バスでこのニセコエリアにやってくる。 だから、インバウンド観光客にしてみれば「北海道にやってきた」というより「ニセコにやってきた」という意識のほうが強いだろう。まるで、日本でもなく、北海道でもない、「ニセコ」という別天地に来るイメージ。これもまた、外国人観光客を惹きつける要因かもしれない。 北海道に現れた巨大なテーマパーク・ニセコ。まだまだその勢いは衰えることを知らず、膨大な外国人観光客を受け入れている。このテーマパークが今後どのようになっていくのか、興味深く見ていきたい。 <取材・文・撮影/谷頭和希> ―[テーマパークのB面]― 【谷頭和希】 ライター・作家。チェーンストアやテーマパークをテーマにした原稿を数多く執筆。一見平板に見える現代の都市空間について、独自の切り口で語る。「東洋経済オンライン」などで執筆中、文芸誌などにも多く寄稿をおこなう。著書に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(集英社)『ブックオフから考える』(青弓社)
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