「最高の高校だった」盛岡南男子バレー部、42年の歴史に幕 OBと現役が交流戦 歴史と伝統を次の世代へ
岩手めんこいテレビ
2024年12月、高校バレーの強豪、岩手・盛岡南高校のOBと現役の選手による交流戦が行われた。 統合のため、閉校するのを前に新設校でプレーする次の世代へ、OBらが部の伝統を伝えた。 12月22日、紫波町のオガールでは盛岡南高校男子バレーボール部のOBと現役の選手による交流戦が行われた。 交流戦はOBが企画し毎年1月に行われていたが、2025年度に不来方高校との統合が決まっているため、盛岡南の現役選手が加わる交流戦はこれが最後となる。 交流戦の発起人 盛岡南6回生 岡崎正信さん(51) 「最後ということで本当に懐かしいメンバー、Vリーグや全国で活躍した選手がたくさん来てくれたのでうれしい」 100人ほどが参加したうち約60人は1990年以降に卒業した部のOBたち。 輝かしい功績を残してきたいわば「レジェンド」たちが、盛岡南・最後の世代となった現役の後輩たちに自らのプレーをもって部の歴史と伝統を伝えた。 2001年卒業16回生の高橋賢行さん(42)は、交流戦のため現在住む茨城県から駆け付けた。 オリンピック有望選手に選ばれた192センチの長身サウスポーは、春高バレーやインターハイなど全国大会には5度出場し、エースアタッカーとして活躍した。 盛岡南16回生 高橋賢行さん(42) 「現役世代に対抗できるよう最後まで一生懸命頑張りたい」 高橋さんは高さのあるスパイクを次々と叩き込み、後輩たちに現役時代さながらのプレーを見せつけていた。 コートの傍らで試合を見つめていたのは、2代目の監督を務めた阿部和生さん、73歳です。 1985年から15年に渡って部の指導にあたり、盛岡南をインターハイなどの全国大会に16回導いた名将だ。 阿部さんの目にこの日の試合はどう映ったのか。 盛岡南2代目監督 阿部和生さん(73) 「懐かしいなと。変わりなく、それぞれの特徴を出してやっているなというのを思い出した。全国でも名の知れたチームがある中、何とか戦えたのはいい思い出」 1983年に開校した盛岡南。春の高校バレー全国大会が3月開催だった当時は、県内最多15回の出場を果たした。 サーブとスパイクで強気に攻め立てブロックで仕留めるバレー。そして、粘り強くボールを拾って守り得点へとつなげるバレーはチームに受け継がれる伝統だ。 歴代のチームを率いた監督、多くのライバルと渡り合ってきた選手やマネージャー、その多くの人たちが戦いの中で築き上げたものがチームの礎となり「強豪・盛岡南」の名を轟かせてきた。 燃えるようなオレンジ色のユニホームは、いくつもの熱戦を制してきた。 「勝利あるのみ盛岡南」、代々受け継がれてきたチームの信念をつづった言葉だ。 この言葉通り盛岡南は2024年、県大会では新人戦と高総体で優勝、そして春高バレーでは接戦の末準優勝と、最後まで「強豪・盛岡南」を体現して見せた。 この日、OBと現役の選手たちが交流戦を通して胸に抱いたもの、それはバレーに懸けた青春の思い出、そして新設校でプレーをする次の世代への思いだった。 盛岡南16回生 高橋賢行さん(42) 「寂しい気持ちでありながら、すごく頼もしくて、うれしくなった。いい仲間と出会えて最高の高校だったと思う」 盛岡南3年 佐々木綺人選手(3年) 「たくさんの人たちが歴史を築いてくれたので感謝の気持ち。(後輩は)いい伝統を引き継いで、新しい武器や伝統を築いてほしい」 不来方との統合まであと3カ月ほどに迫った盛岡南。 数々の栄光に輝いた42年の伝統は「みらい」へと引き継がれていく。
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