カカオ豆高騰、イースターのチョコ菓子に打撃-より小さく、より高く
(ブルームバーグ): ウサギ形のチョコレートやパステルカラーのマシュマロが盛られたバスケットはホリデーの定番で、米国人はイースターの期間に50億ドル(約7570億円)以上をこうした菓子類に費やすと予想される。ただ今年は、カカオ豆の上昇が続いていることから、消費者はより少ない菓子により多くを支払うことになりそうだ。
卵型のチョコレートは1年で10%以上値上がりしている。買い物客は価格の上昇だけでなく、対価として受け取る菓子が少なくなることも想定される。シュリンクフレーションと呼ばれる現象で、量は減っているのに販売価格は変わらないか、場合によってはこれまで以上を支払うことになる。
企業は、チョコレートバーのサイズを小さくすることなどで、カカオ価格の高騰に対処しつつある。
コバンクの食品・飲料担当シニアエコノミスト、ビリー・ロバーツ氏は、「クリスマス、あるいはハロウィーン以来、消費者がチョコレートの価格にあまり注意を払っていなかったとすれば、店頭に並ぶチョコレート製品に支払う価格にちょっとしたショックを受けるだろう」と語る。
ニューヨーク市場のカカオ豆先物は、2023年にすでに61%上昇しており、その後も急騰。今年に入ってから2倍以上に上昇し、26日には一時1トン=1万80ドルと最高値を更新した。世界最大の生産地である西アフリカ産カカオ豆の歴史的不足が響いている。
NIQのデータによると、3月9日までの1年間で、卵型のチョコレートの平均単価は12%上昇し、販売量は4.2%減少。チョコレート全体の売り上げも同様の傾向にあるという。
ただ価格が上がっているとはいえ、菓子の備蓄を始めるには悪くない時期かもしれない。特に、イースターの翌週にはホリデーシーズンの売れ残りがセールにもなる。
チョコレートは通常、かなり前から製造されているからだ。
つまり、25年のイースター期間については、チョコレート愛好家にとってさらに悪いニュースが待ち受けている可能性が高いということだ。