産廃処分場周辺で収穫されたコメ…検査結果は「安全」も消えない不安 農家は「操業やめて」 広島
広島ニュースTSS
三原市本郷町の産廃処分場周辺で収穫されたコメ。 この度初めて検査が行われ、「安全」こそ示されましたが、農家の不安は募るばかりです。 【五十川記者】 「民間の最終処分場のすぐ下を流れる川です。濁っているかなと見えるんですが、すくい取ってみますと少し黄色っぽい色がついていまして、きれいとは言えないのかという水質です。この水をめぐって周辺のコメ農家は不安に揺れてきました」 産業廃棄物の最終処分場がある三原市本郷町。 その周辺で収穫されたコメが地元の農協を通じ検査に出されました。 【JAひろしま三原地域営農経済センター・林康輝センター長】 「食品としてのコメの安全基準をしっかり確認しておこうというのが(検査の)趣旨なので、念のためですね」 12日、検査機関から通知された結果は…いずれのコメも基準値を下回っていました。 【JAひろしま三原地域営農経済センター・林康輝センター長】 「安心して食べてもらえる状態のコメは間違いないので、何かしら我々にできることをし続けていくことしかない」 本郷最終処分場は有害物質を含まない廃棄物だけが埋め立てられることになっています。 しかし、今年7月県が行った浸透水の検査で基準値を超える鉛を検出。速やかに、搬入と埋め立てを中止する「勧告」の行政指導が出されました。 そのため、収穫したコメの安全性を客観的に示したい生産者の声を受け、農協が実施したのが、今回のコメの重金属類の検査でした。 【五十川記者】 「今は操業を停止しているということで、以前見られたような白っぽい泡が流れてくることはないのですが、川底にはこれまでに堆積したオレンジ色のようなヘドロがありますし、何よりも鼻をつんと突くような臭いもします」 本郷最終処分場は県が「原因究明と必要な措置が完了していることを確認した」として、いったん操業の再開を認めました。しかし、先月の検査で基準値の7倍を超える「汚染」を確認。「勧告」よりも重い「警告」の行政指導が出され、11日から再び操業を停止しています。 ただ、川の水の濁りと本郷最終処分場との関連は明らかになっていません。 水質の悪化を理由に作付け自体を諦めたコメ農家もいましたが、およそ3キロ下流に田んぼを持つ柄崎雅司さんは例年通りの作付けと収穫をしました。 【コメ農家・柄崎雅司さん】 「(検査は)しないよりはよかったのかなと思います。しなかったらまた噂が流れながら(事実と)違う方向へ流れるのかな」 検査結果に異常がなかったことに胸をなでおろしますが、来年以降も対策が必要かもしれないと影響の長期化を懸念しています。 【コメ農家・柄崎雅司さん】 「今回は大丈夫かなと思うんですけど、じゃあ来年はどうなのかと再来年がどうなるかなというのが、逆に言えばそこがまた心配になる。(操業を)やめてほしい。こんなところに造ってもらうのはおかしいというのを言いたい。田んぼをつくっている以上、この気持ちはずっと続くのかなと。産廃がある以上続くのかなと思っています」
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