『西園寺さんは家事をしない』第6話は“家族会議”が必見? 岩崎Pがドラマに込めた願い
松本若菜が主演を務め、松村北斗(SixTONES)が相手役を務めるTBS火曜ドラマ『西園寺さんは家事をしない』。第6話の放送を前に、岩崎愛奈プロデューサーのインタビューコメントが公開された。 【写真】『西園寺さんは家事をしない』第6話先行カット 本作は、講談社『BE・LOVE』で連載中の同名コミックを実写化するハートフルラブコメディ。徹底して家事をしない主人公・西園寺さんと年下の訳ありシングルファーザー&その娘の風変わりな同居生活を通して、幸せとは何か、家族とは何かを問いかける。 主人公・西園寺さんを松本、西園寺さんと「偽家族」として一緒に暮らすことになる楠見俊直を松村、俊直の娘・ルカを子役の倉田瑛茉が演じる。そのほか、藤井隆、濱田マリ、横田真悠、水澤紳吾、うらじぬの、大朏岳優、塚本高史、野呂佳代、村川絵梨、浅野和之、津田健次郎がキャストに名を連ねている。 第5話では、「パパのこと好きにならないで」とルカに言われてしまった西園寺さん(松本若菜)は、大親友の小西洋介(塚本高史)の提案で“上書き彼氏”を作って楠見への気持ちを消そうと考え、マッチングアプリに登録。何人かの男性と会うことになるものの、逆に、ふとしたことで楠見(松村北斗)やルカ(倉田瑛茉)のことを思い出してしまう自分に気づくはめに。対する楠見は、西園寺さんが恋活をしていることを知って困惑している様子。さらに、カズト横井(津田健次郎)から、「YouTuberになったのは西園寺さんが自分の手作り弁当を褒めてくれたことがきっかけだった」と明かされた西園寺さんは、彼から告白のような言葉を投げかけられる。そんな2人のやりとりを見ていた楠見がその場に乱入、まさかの三角関係が勃発か!? というところで第5話は幕を下ろした。 松本を津田と松村が取り合うようなシーンはSNS上でも大きな話題となった。岩崎プロデューサーは、「とてもうれしかったです」とその反響を振り返る。 「私たちも、脚本ができた時から『これはすごく面白くなるぞ』と思って、遊び心を詰めて制作しました。マッチングアプリのエピソードの反響は大きかったです。西園寺さんがマッチングしたデートのお相手は、『とても素敵な男性だけれど、それでもどうしても考えてしまうのは楠見くんとルカのこと……』という風にしたかったんです。なので、『クセ強の変な人』ではなく、個性のある素敵な人である必要があり、でも面白くもしたい……と思いキャスティングを考えました。1シーンだけなのにこんな豪華な方々にお願いしていいのか!?とも思いましたが、ここは西園寺さんマインドで『迷った時はワクワクする方へ!』ということで、思い切ってアタックしました。『若菜さんのためなら!』と尾上松也さんがお力を貸してくださったり、『私の家政夫ナギサさん』でお世話になった宮尾俊太郎さんが当時の役柄そのままを楽しんで演じてくださったり、NON STYLEの石田明さんもノリノリで真っ白スタイルで参加してくださったりと、皆さんのおかげで面白いシーンができました。原作のひうら先生が、SNSで盛り上がってくださっているのも、皆のモチベーションにつながっています! そして脚本家の宮本(武史)さんが、そんなひうら先生の原作を、毎回予想を上回るほどの面白い台本にしてくださるので、『これはもう絶対面白くしなきゃ!』という意識をキャスト・スタッフ全員が持っていて。各部署のプロフェッショナルたちが、細かいところまで全力で遊び心を詰め込んでこのドラマを作っている実感があります。西園寺さんと楠見、横井のラストシーンは、私自身が原作を読んで思わず『キャーッ!』となった場面だったので、『ドラマでも絶対に素敵に再現するぞ!』と気合いを入れていました。楠見と横井が西園寺さんの手を掴む場面は、若菜さん、松村さん、津田さんとスタッフ全員で、『原作では手はこうなってましたよね』と、原作を思い浮かべながら話し合い、こだわったカットになっています。視聴者の方にもドキッとしてもらい、この後どうなっちゃうの!?とワクワクしてもらえたら……という思いを込めて作り上げたシーンです」 そして、第6話ではガスト横井の優しさと大人のカッコよさが炸裂するという。 「第6話は、“偽家族”も西園寺さん自身も新しいフェーズに入っていく回になると思います。ここまでで“偽家族”という関係性の実態がなんとなく掴めてきたような気がしていた西園寺さんたちでしたが、家族とはそう簡単ではないもの。西園寺さんの中にも、楠見の中にも、何か新しい感情が芽生えたようですし、どんどん複雑な感情や言語化できない思いが出てきて、その思いが交差していきます。さらに、横井も西園寺さんにグッと気持ちを向けていくので、第6話は横井の存在感がぐっと濃くなっていく回でもあります。横井は原作でもすごく素敵なキャラクター。ドラマでは津田健次郎さんに演じていただいているので、大人だからこそのカッコよさを一緒に作っていきたいなと考えていました。そこで大事にしているのは、カッコよさというのは、スマートさだけじゃないということ。取り繕って自分を良く見せるのではなくて、素の自分を見せられるとか、自分が考えていることを素直に伝えて知ってもらうことができる。そんな、大人で素直な人だけができる、カッコつけないカッコよさがあると思うんです。横井はこれまで、ミステリアスな人に映っていたと思いますが、YouTuberとしてのサングラス姿からは想像できないような素顔があることは視聴者の方にも少しずつ伝わっているのではないかと思います。そこをさらに踏み込んで、横井が一体何を考えているのか、人とのつながりをどう捉えているのか。そんな彼の姿を津田さんが本当にチャーミングに演じてくださっています」 第6話では「家族会議」が開催される。そこでの西園寺さんと楠見のシーンは必見だと岩崎Pは続ける。 「“偽家族”として時間を共に過ごしてきた西園寺さんと楠見くんは、暮らしの中で自然ときちんと自分の考えを話すこと、相手の話を聞くことが、とても大事なことだということを知ってきています。さらに、もともと仕事ができる2人。なので、どうやって話せば各々の考えが伝わるかを考えた末が『家族会議』になったんだなと思うと、すごくこの2人らしくて、おかしくもあり愛おしいなと思いながら撮影しました。でも、撮影は、セリフ量も多く、集中力がいる大変なシーンだったと思います。とても見応えがある場面になりました。『家族会議』というちょっとヘンテコな形ですが、2人が今どんなことを考えているのかが、しっかりと語られているので、ぜひ2人が何を話すのか楽しみにしていてください」 折り返し地点となった『西園寺さんは家事をしない』を楽しみ上で、キーワードは「考えてみたけど、よく分かんないや」だと岩崎Pは視聴者にメッセージを送った。 「SNSなどで、『西園寺さんは家事をしない』には悪い人がいないのでホッとしながら見られると言ってくださる方が多いのですが、この作品に限らず、以前私が担当した他のドラマでも、そう言っていただけたことがありました。『私の家政夫ナギサさん』もそうでした。でも、実は、自分ではそこは意識していませんでした。私が楽観的というかお気楽なだけなのかもしれませんが、単純に、実生活でそこまで邪悪な人に会ったことがない気がするんです。だから、ドラマも、明確な悪役がいなくても面白くなるのではないかなと。個人的には悪役と戦ったり対峙するドラマも大好きなんですが、人と向き合ってそれぞれの考えや思いを知って、理解し合っていくことの難しさやもどかしさを描くことに集中していたら、自然と悪役の存在がないまま物語が走り出していたのかもしれません。本作に関しては、やっぱり主人公の西園寺さんが圧倒的に明るくてポジティブであることも悪役が不在の理由かもしれません。たとえ悪い人がいても、西園寺さんの圧倒的な明るさと優しさのパワーがあれば、みんなそちらに巻き込まれていくんだろうなと。このドラマ自体も、主人公の西園寺さんが自然と明るく楽しい方に導いていってくれている気がします。そんな西園寺さんですが、この先はやはり難しい壁にもぶち当たっていきます。当初から掲げてきた『家族って何? 幸せって何?』というテーマを、西園寺さんと楠見、ルカをはじめとする登場人物がそれぞれ考えていきますが、そこに明確な答えはないと思うんです。そんな難しい問題にみんなが手探りで立ち向かいながらで進んでいく。登場人物たちも、悩んだり迷ったりする瞬間に出くわすと思いますが、そこから生まれる『考えてもよく分かんないや』という感情はとてもリアル。現実の世界でも、明確なひとつの答えを出せることってとても少ないと思うんです。ドラマを観てくださる方にもその『考えてもよく分からないな』『でも考えてみよう』という感情に乗っていただいて、『家族って何? 幸せって何?』を一緒に考えていただけたらうれしいですね。そうすることで、それぞれの答えが出てくる気がしますし、その答えをお互い尊重し合えるのではないかとも思うんです。ここから先も『考えてもよく分かんないや』を一緒に楽しんでもらい、『それでも考えてみる』ことも楽しんでいただけたらうれしいです」
リアルサウンド編集部