大岩ジャパンの“最激戦区”中盤で必要な人材は? 藤田はクラブNGさえなければ当確、注目はオランダ組の2人
10番タイプがラストピースに
セントラルMFにOAの選手を起用する案もあり、守田英正(ベンフィカ)や遠藤航(リバプール)といったA代表の主力組が参戦したとなれば、パリ世代が占める中盤の枠は4つになる。 セントラルMFは大岩ジャパンで最も選手層が厚いポジションであり、土壇場で不測の事態が起きたとしても、対応できるだけの面子が揃っている。一方でクラブとの交渉がスムーズにいったと仮定すれば、本大会行きの切符は狭き門とも言えるだろう。 そうした背景を踏まえたうえで候補を考えた場合、最も五輪行きに近いのは、U-23アジア杯でキャプテンを務めた藤田だ。アンカーと8番のポジションをこなせるタイプで、実力と経験はパリ世代で頭ひとつ抜けており、クラブNGがない限りは当確だろう。 U-23アジア杯で副キャプテンを務めた松木と山本であっても生き残りは簡単ではないが、鈴木と久保が参戦できないことを踏まえると、両者はセントラルMFのスカッドに加えたい。 そうすると、残された枠は1つで、10番タイプのプレーヤーがラストピースとしてメンバー入りを争う構図になると予想する。 Jリーグの舞台で抜群の決定力を武器に存在感を示し、U-23アジア杯でも印象的な活躍を見せた荒木遼太郎(FC東京)は有力候補だが、植中朝日(横浜)も見逃せない。ACLの舞台でゴールを重ね、センターフォワードを兼務できる10番タイプとして虎視眈々と本大会行きを狙っているはずだ。 海外組にも注目すべき選手がいる。大岩ジャパンでは未招集だが、欧州挑戦1年目ながらオランダ1部で25試合・5得点をマークした佐野航大(NEC)も、中盤とサイドに対応できる人材だ。 選考は非常に困難であるのは間違いないが、ラスト1枠を占ううえでキーマンになりそうなのが、サイドアタッカーの三戸舜介(スパルタ)だ。 クラブではサイドで起用されているが、大岩ジャパンでは両ウイングとインサイドハーフの役割を担ってきた。汎用性が高い三戸が“1人3役”をこなせば、起用法の幅はグッと広がる。 五輪前最後の活動として、大岩ジャパンは6月上旬のインターナショナルマッチウィークでアメリカ遠征に赴く。最終的なメンバーの見極めは北米の地で行なうことになるが、いずれにせよ、セントラルMFのポジションは、最後までベストメンバーを探っていく形になるはずだ。 取材・文●松尾祐希(サッカーライター)