【密着】熱中症から命を守る──119番の“最前線” 室内から「助けて…」緊迫の場面も “災害級の暑さ”でひっ迫『every.気になる!』
■新宿など拠点の「救急機動部隊」に密着
1日に3000件超えの通報がある指令室から出動要請を受ける1つが、新宿などを拠点とする「救急機動部隊」です。助けを求める声に1秒でも早くと、現場へ向かいます。 東京都心の最高気温が36.6℃だった7月22日。密着中に入った要請は、高齢の女性が熱中症の疑いで路上に倒れたというものでした。すぐに現場へと急行します。 取材班が10分後に到着すると、女性がストレッチャーに乗せられていました。救急隊が「救急車の中入りますから」と声をかけます。89歳の女性はスーパーから帰る途中、突然路上で倒れたといいます。
■女性と救急隊、救急車内でのやり取り
女性 「いま何時何分?」 救急隊 「いまはですね、(午後)1時45分」 意識はあるようです。駆けつけた娘(60代)も救急車に乗り込みました。 救急隊 「前に転んだ?」 女性 「うつぶせで」 救急隊 「頭は打ってらっしゃらない?」 女性 「頭は打ってない」 救急隊 「熱中症かもしれないですね。汗いっぱいかいて」
■女性の娘は「涙でそう」と感謝
転んでケガをした手首などの処置をしつつ、救急隊は「ちょっと冷やしましょうか、体をね。脇の下とかに冷たい感じありますかね」と言うと、女性は「はい」と答えました。 救急隊 「自分で起き上がれなくなった?」 女性 「暑くてね」 救急隊 「良かったですね。近くの方が通りかかって助けてくれて」 そして、救急車は近くの病院へ向かいました。救急隊が「もうすぐ病院ですからね」と声をかけます。その後、熱中症と診断された女性。点滴を受け、ケガがあったことなどから入院したといいます。 女性の娘は「(母は)落ち着いて、意気消沈していますけど、(隊員が)絶対に不安にならないように落ち着いて接してくれるので、涙でそうでした」と感謝していました。
■1日以上家の中で倒れていた93歳
この日は東京消防庁管内で142人(速報値)が熱中症で搬送されました。緊迫の場面もあり、家の中から「助けて」という声が聞こえたということで、救急隊が現場に向かいました。 宅配スタッフが「助けて」という声を聞いたのは、93歳の女性が1人で暮らす家でした。救急機動部隊の小暮拓也消防士長は「エアコンは作動しておりませんでした。なので室内が高温環境下でした」と明かします。 熱中症の症状で1日以上、家の中で倒れていたというのです。 「大丈夫ですからね。病院行きましょう」と、救急隊が女性を運び出します。女性は受け答えはできるものの、脱水症状などがあり、入院したということです。
■異例の暑さ…人員と救急車の増強で対応
8月上旬まで、10年に1度レベルの暑さが予想されています。 東京消防庁警防部総合指令室の寺山勇樹消防司令補 「(指令室の)人員を増強して対応したり、救急車の方も増強して対応しております」 (7月26日『news every.』より)