星風まどかが、柚香光から教わった“センスの磨き方”「髪を短くしてみたかった」退団後に出会う新しい自分
ネガティブな自分の短所も、受け入れられるように
――新たな環境に身を置くことは、誰であっても迷ったり悩んだりすることがあると思います。星風さんは、宝塚に入団されての寮生活や組替えもありましたが、新しい環境に身を置く読者に向けて、なにかアドバイスをいただけたらと思うのですが。 自分が楽しくなれる選択をしていきたいですよね。自分が選んだ道であれば、壁があっても責任を持って進みたいと思うし、それが乗り越える原動力になる。気持ちを前向きに持っていたら、何があってもきっと打開策が見つかると思うんです。だから、まずはどんなときでも自分がワクワクするような選択をしたらよいのかなと思います。 ――もともと前向きなタイプなのでしょうか? そうではありませんが、前向きに生きていらっしゃる方って素敵だなと思っています。悩みは探せば誰にもあるはずで、考えれば考えるほど見つかって尽きることがなくて、結局は自分の心次第。 だから、心をどう導いていくかが大事なんですよね。もともとはネガティブというか、悩むことが多いんです。それは自分の短所だと思っていましたが、宝塚に10年間在籍して、その短所が慎重さに繋がっているということにも気がついて、そこも受け入れられるようになりました。大事なのはバランスだと思っています。 ――人見知りだそうですが、それはどう克服されてきましたか? 宝塚時代はありがたいことに、ずっと舞台という向き合うべきものがありましたから。ただ、宙組からトップ娘役という立場で花組に組替えになったときは、ちゃんとしなくちゃという気持ちが強くて、最初は空回りしていた気がします。でも、花組のみなさんは本当にあたたかく迎えてくださいましたし、それを肌で感じたら、知らない間に緊張もほどけていきました。 それに、みなさんがいい作品を作りたいという気持ちを持っていて、そこに集中して取り組んでいるわけで、同じ目的を持っていることで必然的に関係性って築かれていくんですよね。ですから、読者のみなさんも、まずは新しい場所で目の前のことに一生懸命取り組んでいたら、気づいたら周りに馴染んでいるということ、あるかもしれないですよね。 ――今、目の前にいろんな選択肢が広がっていますが、ここだけはこだわっていたいと思うことはなんですか? 周りの人を大事にするということでしょうか。自分がここにいるのは、周りのいろんな方のお力添えがあってだと思うんです。だから、これからも周りの方々への感謝を忘れないようにしたいです。あと、自分自身の品を大切にしたいと思います。 ――今、挑戦してみたいこと、やってみたい作品などはありますか? もともと大好きなミュージカル作品に携わっていけたらいいなと思っています。お芝居に関しては、映像作品にも挑戦してみたい気持ちはあります。ただ、舞台でのお芝居とは違うと思いますので、たくさん訓練して学んで経験を積んでいけたら嬉しいです。そして、歌うことが好きなので、歌はずっと歌っていきたいという願望があります。 ――挑戦してみたい楽曲はありますか? それこそ今回の作品で歌うキャサリンの曲は、地声で歌ったり、音域が広かったり、パワフルに歌うことが求められていたり……今後私が挑戦したいと思っていた課題が詰まっています。どの曲も素晴らしいので、まずはキャサリンとしてしっかり務めていきたいと思っています。 星風まどか(ほしかぜ・まどか) 1996年11月11日生まれ、東京都出身。’14年に宝塚歌劇団に入団し、宙組に配属される。翌年の『王家に捧ぐ歌』で新人公演初ヒロインに抜擢され、同年の『相続人の肖像』でバウホール公演のヒロインを務めるなど、早くから注目される。’17年に宙組トップ娘役に就任。その後、専科を経て、’21年に花組に組替え。花組トップ娘役として高い人気を誇り、今年5月『アルカンシェル』で退団。来年にはミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』への出演も決まっている。 ブロードウェイミュージカル『ニュージーズ』 作曲:アラン・メンケン 作詞:ジャック・フェルドマン 脚本:ハーヴェイ・ファイアスタイン 演出・日本語訳・訳詞:小池修一郎(宝塚歌劇団) 出演:岩﨑大昇、星風まどか、加藤清史郎、横山賀三、霧矢大夢、石川禅ほか 2024年10月9日(水)~29日(火) 東京・日生劇場 2024年11月3日(日・祝)・4日(月・休) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール 2024年11月9日(土)~11日(月) 福岡サンパレス ホテル&ホール
望月リサ