真冬の能登避難所、トイレ流せず 冷える床「寒さで目が覚める」
能登半島地震では、31日時点で石川県内の9千人超が、体育館や集会所など1次避難所に身を寄せる。真冬の外気が入り込んで床が冷え、高齢の被災者は何枚重ね着しても「寒さで目が覚める」と過酷な日々を訴える。断水のため入浴できないだけでなく、場所によってはトイレの水すら流せない不便な状態が続いている。 【写真】避難所トイレ「もう限界」 道路寸断、仮設配備遅れ
輪島市中心部の指定避難所には約120人が滞在する。輪島朝市近くの自宅が全焼した男性(75)は着の身着のまま駆け込み、1カ月が過ぎた。 畳を仮置きしたスペースで寝起きする生活。「支援物資は行き渡るようになったが、断水がきつい」とこぼす。 危惧するのは新型コロナウイルスなどの感染症だ。男性もこの1カ月、風邪や腹痛で体調を何度も崩した。看護師が常駐し衛生環境は大幅に改善したが、感染者を隔離する部屋では全身防護した医療スタッフが慌ただしく出入りしていた。 珠洲市の区長として住民を取りまとめる浜木満喜さん(76)は近く、避難所で地震発生以来のシャワーを浴びる予定だ。「久しぶりで風邪をひくかも」と少し笑顔を見せた。