右手だけでモンハン!?バイク事故で左腕が不自由に…独学で「3Dプリント自助具」を自作し不便を解消 専門コンテストに応募した結果は【news23】
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バイク事故で左腕が不自由に…でも右手一本で趣味のゲームやバイクを諦めず、3Dプリンターで自分専用の道具を自作する当事者を取材。専門のコンテストが開かれるなど活用が進む「3Dプリント自助具」の可能性とは。 ■「3Dプリント自助具」で“右手モンハン” バイク事故で左腕が不自由に 軽快に走るバイク。よく見ると、ハンドルを握っているのは、左手ではなく大きな“洗濯ばさみ”です。どういうことなのでしょうか。 seki-1さん 「左手は肩は動くんですけど、肘から先の運動機能はない状態。免許センターに相談しに行ったとき、(左手を)どこかに固定してほしいと」 左腕が不自由なseki-1さん(39)。市販品の洗濯ばさみを左手に固定するグレーの板を3Dプリンターで自作。さらに免許上必要な改造をしたバイクを、右手一本で運転しています。 seki-1さん 「最初はまっすぐ走ることもおっかなびっくり。『こんなん乗れるか』って思った。やってみたら意外にいける」 seki-1さんは5年前、バイク事故で左腕を切断。搬送先の病院の医師が手術でつなぎ合わせましたが、感覚は戻らず、動かすこともできません。 seki-1さん 「(Q.ブラック・ジャックかと思いました)ブラック・ジャックだったらたぶん動いてる。繋がってるだけでも御の字ですよ」 事故後に3Dプリンターを購入したseki-1さん。独学で設計のやり方を覚え、できなかったことをできるようにする「自助具」を自作しています。 seki-1さん 「ゲームを片手でできるようにするための自助具。どの指で何するか最初わからなかった」 ゲーム中には本来両手で行う複雑な操作を片手で難なくこなし、モンスターを倒します。 seki-1さん 「(Q.すごくないですか?)これが普通になっちゃってるんで。やればできますよ」 ■3Dプリンターは「可能性の塊」 自助具を自作 コンテスト開催も ゲームと同じぐらい好きなのが、バイクです。 ツーリング先での不便さも、3Dプリンターで解決しました。 seki-1さん 「ツーリング行ったときに外でペットボトル買ったときに、どうやって開ければいいんだってところから作った」 出力に失敗してゴミになったり、出力に時間がかかったり。3Dプリンターは「魔法の箱ではない」としつつも... seki-1さん 「可能性の塊だと思いますよ。元データを直して出力すれば、その人専用のものができる。自助具とかヘルスケアの方面はめちゃめちゃ可能性ある」 10月末… 喜入友浩キャスター 「こちらに並んでいるのはあるコンテストで審査される作品です。いったいどのように使うものなのでしょうか。不思議な形をしているものもあります」 都内で行われたのは3Dプリンターで作られた自助具のコンテスト。審査員は作業療法士や 無印良品のデザイナーなどが務めています。 応募者 「リングに点字をつけて(目の不自由な人が)ペットボトルに何が入っているか触って判別できる」 応募者 「手の不自由な方が、押す・引くの2つの動作で、食べたいおかずが食事できるよう作りました。(Q.いくらぐらいで作ったんですか)だいたい2万円ぐらい」 実はseki-1さん、自作のペットボトルオープナーをこのコンテストに応募。最終審査の12作品に残っていました。 審査員たちは当初、どう使うものなのかイメージが湧かない様子でしたが... seki-1 「動画を見ながら聞いてほしいのですが、片手でペットボトルを開ける道具の類になります」 動画つきでプレゼンをすると、審査員からは… 審査員 「どうやって使うのかと思ったけど、プレゼン受けて『なるほど』と思いました」 「当事者として、自分で自分の使うものを作っていることに、とても感銘を受けている」 最優秀賞は、押す・引くの2つの動作で食事できる作品が受賞。seki-1さんの作品は審査員特別賞を受賞しました。 ■「1個からの願い」叶える 3Dプリント自助具の可能性 コンテストの主催者は、応募作品など様々な自助具のデータを独自のプラットフォームで公開。必要な人が出力できるように、全国の3Dプリンターを所持している協力者などを増やす取り組みを進めています。 ICTリハビリテーション研究会 林園子 代表理事 「販売されている道具では解決できなかった課題を解決するための努力が、手作りの自助具という形でケアの現場では行われていた。大量生産品では叶えられない1個からの願いを叶えたい」 コンテストで特別賞を受賞したseki-1さん。3Dプリンターで作りたいものがあるといいます。 seki-1さん 「どうにかして左腕を動かせるものが作れれば一番いい。今までできないこととか諦めそうになったことが、自力で自己解決できるのは楽しい。健常者だって使いづらいことがあれば改良してみればいいし、障がい者に限った話ではない」
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