「甲子園の出場回数みたいですね」 待望の調教師試験合格の室井潔調教助手は宇都宮競馬にルーツ
室井潔調教助手(49=美浦・大和田)は、父が宇都宮競馬でブライアンズロマンやベラミロードといった名馬を管理するなど通算690勝を挙げた故室井康雄元調教師。JRA競馬学校入学以前には父の厩舎を手伝うこともあり、1999年にベラミロードが中山でユニコーンSに出走(2着)した際はパドックを引いた経験もあるという。 調教師試験には「正確には(何回受験したか)覚えていないが、18回くらいだと思う。甲子園の出場回数みたいですね」とはにかんだ。今回は5年ぶりに一次試験に合格し、見事二次試験も突破。「何度も気持ちは切れそうになりました。(受験を)やめるにやめられないというのもあって、やめるならこの仕事をやめる時」と覚悟を決めて努力を続けた。 「大学生のころに(地方との)交流重賞が盛んになって、(中央競馬の)こういう世界もあるんだと知りました。父に今日の姿を見せたかったです。自分は年齢も50に近いので、GⅠを勝ちたいとか具体的な数字の目標はありませんが、従業員が朝仕事に出る時に〝馬のために何かやってやろう〟と前向きな気持ちになれるような厩舎にしたい」と抱負を語った。 トレセンに入って最初に所属した清水美厩舎では厩務員として、後にGⅠを2勝する転厩前のハットトリックを担当した経験もある。〝オールドルーキー〟の今後に注目だ。
東スポ競馬編集部