『夜明けのすべて』最優秀作品賞、上白石萌音が女優賞、松村北斗が新進男優賞に! 第16回TAMA映画賞受賞作品&受賞者発表
第16回TAMA映画賞の受賞作品と受賞者が3日に発表。最優秀男優賞を藤竜也と吉沢亮、最優秀女優賞を上白石萌音と河合優実、最優秀新進男優賞を松村北斗(SixTONES)、齋藤潤、最優秀新進女優賞を森田想、早瀬憩が受賞した。また、三宅唱監督作『夜明けのすべて』と奥山大史監督作『ぼくのお日さま』が最優秀作品賞に輝いた。 【写真】SixTONES・松村北斗×上白石萌音共演、最優秀作品賞に輝いた『夜明けのすべて』場面写真 2009年にスタートしたTAMA映画賞は、前年10月から当年9月に一般劇場で公開される作品および監督・キャスト・スタッフを対象に市民ボランティアからなる実行委員が選考。「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる<いきのいい>作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰する。 最優秀作品賞に選ばれた『夜明けのすべて』は、『そして、バトンは渡された』で2019年本屋大賞を受賞した小説家・瀬尾まいこの原作小説を、『ケイコ 目を澄ませて』の三宅唱監督が映画化。PMS(月経前症候群)に悩む藤沢さん(上白石萌音)とパニック障害を抱える山添くん(松村北斗)がお互いを支え合いながら生きる日常を描く。「ささやかな日々の営みとプラネタリウムを重ねながら、痛みを抱えてもなお他者に寄り添う人々を丁寧に映し出し、観客の心に光をともした」ことが受賞につながったと発表された。 同じく最優秀作品賞の『ぼくのお日さま』は、『僕はイエス様が嫌い』で第66回サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞を史上最年少で受賞した奥山大史監督の商業デビュー作。雪の降る街を舞台に、吃音をもつホッケー少年のタクヤと、フィギュアスケートを学ぶ少女さくら、そして元フィギュアスケート選手でさくらのコーチ荒川の3人の視点で紡がれる物語だ。受賞理由は「出会いの煌めきと透明感、儚さが同名主題歌にシンクロすると共に、光と音楽が一体となったスケートシーンの美しさがいつまでも胸に残る作品となった」。 最優秀男優賞を受賞した藤竜也は「『大いなる不在』において、虚構へ溶けゆく中で愛する者との別離を予感する『瀕死の王』の姿を観る者の脳裏に焼き付けた」、同じく最優秀男優賞を受賞した吉沢亮は「『ぼくが生きてる、ふたつの世界』において、さまざまな感情が込められた手話で親子の日常をとても自然に映し出して、観客を物語へと引き込んだ」と評価。 最優秀女優賞を受賞した上白石萌音は「ままならない不調に向き合う一生懸命な藤沢さんを愛情いっぱいに表現し、星空を見上げたときのような穏やかな幸福感をもたらした」、同じく最優秀女優賞を受賞した河合優実は「『ナミビアの砂漠』において、自分勝手で暴力的な振舞いをとりながら心を壊していく新たなるヒロイン像を、生々しくも魅力的にスクリーンに焼き付けた」と評価された。 最優秀新進男優賞の松村北斗は「『夜明けのすべて』において、社会のサイクルから外れかけた青年の心を縛りつける糸が少しずつほどけていくさまを精細な描写で体現した」、齋藤潤は「『カラオケ行こ!』において、表情や声色を繊細に使い分けることで、10代の葛藤を見事に表現し、今後の飛躍を予感させる確かな演技力を示した」として受賞。 最優秀新進女優賞を受賞した森田想は「『辰巳』において、生意気な少女が姉の敵(かたき)を討つなかで成長していく姿を、情念の込もった瞳とガツンとくる動きで表現し、観客を魅了した」、早瀬憩は「『違国日記』において、主人公・朝が他者との距離感にとまどいながらも相手を受け止めて、思春期を駆け抜けていくさまを爽やかに演じた」と評価された。 授賞式はパルテノン多摩大ホールで11月30日に開催。東京都多摩市内3会場にて11月16日~12月1日に各種上映プログラムが実施される(休映日あり)。 第16回TAMA映画賞 受賞作品・受賞者は以下の通り。