小森家を見守る人たちに癒される…思わず笑ったMVPは? ドラマ『ライオンの隠れ家』第7話考察レビュー
ドラマ『ライオンの隠れ家』(TBS系)が放送開始した。本作は、主演の柳楽優弥&坂東龍汰演じる兄弟の前に、謎の少年「ライオン」が現れたことで、2人の生活が一変していくことになる。家族愛や兄弟愛の変化を描く愛と絆の物語だ。今回は、第7話のレビューをお届け。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】柳楽優弥、坂東龍汰、佐藤大空を囲む優しい世界に癒される…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『ライオンの隠れ家』劇中カット一覧
小森家を囲む温かさに救われる…。
週刊誌記者の工藤(桜井ユキ)が小森家を訪ねてきたり、祥吾(向井理)が息子・愁人に関する情報をマスコミに流したりしたことで、家にいることに危機感を募らせる洸人(柳楽優弥)。そんな彼に、牧村(齋藤飛鳥)や寅吉(でんでん)をはじめとする周囲の人たちはあたたかい。 今回、なかでも特にファインプレーだったのは貞本(岡崎体育)だろう。 薄気味悪い役を演じたらピカイチの岡崎だが、貞本はどちらかというと作品中の“癒やし”担当。ライオン(佐藤大空)についてこそこそ話す洸人と牧村を、壁越しにじっとりとした目で見つめる様子には最初こそ驚いたものの、思わず笑ってしまった。 ライオンが洸人の家にいる理由や目下直面している問題を知った貞本は、自分の別荘を使えばいいと提案する。しかも、場所は佐渡。 とにかくいまいる場所から離れたい洸人たちにとっては願ったり叶ったりだったことだろう。それでも「別荘顔じゃない」などといじられるあたりが、貞本の、ひいては岡崎のもつキャラクターの魅力だ。
ルーティンのない旅行への恐怖
洸人はライオンと美路人(坂東龍汰)に、旅行に行こうと話をする。だが、旅行は美路人にとってルーティンを壊すことに他ならない。どこに行くのかと興奮気味のライオンに対し、美路人は断固反対する。 もちろん洸人は自分の意見を押し通すことはせず、「3人で旅行に行きたい」と伝えた。それまで考えたことがなかったわけではないだろうが、いつになく必死に思いを伝える洸人の言葉の端々から、美路人も「お兄ちゃん(=洸人)にもしたいことがある」ことを認識。さらに洸人が語ったこれまで過ごしてきた2人の時間や、亡き両親に思いを馳せ、美路人は静かに涙を流した。 これがきっかけとなって、美路人も旅行を承諾する。そして、ルーティンのないこの旅行が、美路人を少しずつ変えていく。 美路人も懸念していた仕事だが、必要な打ち合わせはリモート会議で行うことに。船木(平井まさあき)に、画面越しにどんぐりを食べさせようとしたり、本題に入る瞬間にPCを閉じてしまったりと、その行動はなんとも愛おしい。 また、出発の日にはコンビニ前でたむろしている学生を警戒し1人でコンビニへ行けなかったが、滞在先では初めての土地でお肉を買ってくることができた。1kgのお肉を前に「明日も食べられるね」と顔をほころばせる洸人までセットで、すごくやさしい世界だ。そして、眠そうにしているライオンが「みっくんと寝る」と言えば、22時にならずとも一緒に寝ることを選択してあげる。 ルーティンとは違う行動をすることはきっと不安もあるだろう。もしかするとストレスを感じているかもしれない。でも同時に、お肉を買いに行けたことなどは、美路人にとっても新たな自信をもたらしているはず。自分の意志とは異なっても、そのときの状況に応じて生活をしていくことで、美路人から見える景色がさらに彩りのあるものになったらいいと願わずにはいられない。