劣悪ピッチに苦しんだ横浜FM、“新大会”ACLE初陣で守備崩壊7失点…EUROアルバニア代表FWにハット喫する
[9.17 ACLE第1節 光州FC 7-3 横浜FM 光州] AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)は17日、リーグステージの開幕節を行い、横浜F・マリノスは敵地で光州FC(韓国)に3-7で敗れた。エースと主将を温存して敵地に臨むという起用法で挑んだが、大胆な決断が裏目に出てまさかの大量7失点。21歳のGK寺門陸は厳しいACLデビューとなった。 【写真】「スタイル抜群」「目のやり場に困る」“勝利の女神”のアウェー遠征に反響 大幅に大会方式が変わったALCの開幕戦。横浜FMは連戦負担への配慮からエースのFWアンデルソン・ロペスと主将のMF喜田拓也を遠征に帯同させず、前節・京都戦(●1-2)からMF渡辺皓太とFWエウベル以外の先発9人を入れ替えて臨んだ。またポープ・ウィリアムが出場停止、飯倉大樹が負傷離脱中のGKはJ1未出場の寺門が起用され、ACLデビューとなった。 試合は2002年の日韓W杯で使用された光州W杯競技場での開催。約44000人を収容できる大型スタジアムだが、現在はほとんど公式戦で使われておらず、グラウンダーでのボールが不規則に跳ねる劣悪なピッチでの一戦となった。 そうした中、横浜FMは最初のピンチで失点。前半2分、ロングフィードを左サイドに通され、DF加藤聖がアルバニア代表FWヤシル・アサニとの1対1を強いられると、中央付近まで横断され、MF山根陸の正面で左足を振り抜かれる。鋭いシュートに寺門が触れるも、バウンドしたボールを弾いてしまい、ゴールマウスに吸い込まれた。 その後は横浜FMがクロス攻撃から攻め込む場面もあったが、前半15分にまたしても失点を重ねた。中盤からまたしても左サイド裏にスルーパスを入れられると、今度はMFチョン・ホヨンに抜け出され、クロスボールからMFオ・フソンがヘディングシュート。ボールはニアポスト脇に飛んだが、これを寺門が触れず、またもネットを揺らした。 一方の横浜FMも徐々にピッチに慣れてきた中、前半34分に1点を返した。DF上島拓巳のロングフィードで相手の中途半端なクリアを誘い、これに反応した加藤聖が力強いヘディングで押し返すと、ペナルティエリア内でエウベルが反応。バウンドしたボールを右ポスト脇に突き刺した。 その後は光州に攻め込まれる場面もあったが、寺門の好セーブもあり、1-2でハーフタイムを迎えた。 横浜FMは後半開始時、加藤聖に代わってDF松原健を投入。DF加藤蓮を左サイドバックに回した。それでも同11分、またしても左サイドから失点。アサニのカットインを許すと、左足から放たれた強烈なドライブシュートがゴール右隅へ。アルバニア代表18試合5ゴール5アシストの実績を持ち、EUROにも出場していたレフティに2点目を決められた。 それでも1-3で迎えた後半15分、横浜FMはすぐに1点差に詰め寄った。DF渡邊泰基が鋭いボール奪取から縦パスをつけ、天野が前にボールを送ると、相手CBが浮き球を処理しきれず、FW植中朝日がエリア内にパス。これに反応した天野のパスは相手に当たったが、こぼれ球がエウベルのもとに転がり、右足ワンタッチで流し込んだ。 ところが後半23分、横浜FMはまたも守備の脆さが出た。右からのクロス攻撃は渡邊の連続ブロックで難を逃れたものの、今度は左からのクロスで攻め込まれると、アサニのクロスに途中出場FWベカ・ミケルタゼがフリーで反応。そのままダイレクトで叩き込まれ、2-4とされた。 さらに後半27分、松原が高い位置でFWガブリエル・ティグロンにボールを奪われ、MFイ・ヒギュンとのコンビでカウンターを仕掛けられると、最後はイ・ヒギュンに左足シュートを叩き込まれて5点目。同29分には右からのクロスを寺門が弾いたところをガブリエルに詰められ、大量6失点目を喫した。 苦しくなった横浜FMだったが、後半33分にはさらなる苦境に。わずか1分前に加藤蓮に代わって投入されたばかりのDFエドゥアルドがガブリエルの突破をファウルで止め、決定的な得点機会の阻止で一発退場。10人で戦うことを強いられた上、エドゥアルドは10月2日の第2節・蔚山HD戦(ホーム)の出場停止が決まった。 横浜FMは後半40分、途中出場のFW西村拓真が左足ボレーでミドルシュートを叩き込み、3-6とスコアを詰める。それでも後半アディショナルタイム、ゴール前をテンポ良いパス回しで崩されると、アサニにハットトリックとなる3点目を献上。そのままタイムアップを迎え、横浜FMは大量7失点で厳しいACLE黒星スタートとなった。 ACLEはリーグステージで8試合を実施。12チーム中8位以内の成績を残せば決勝トーナメント(ラウンド16)進出となる。