『虎に翼』第15~22週の週タイトルの意味を解説 こんなにも多い“女”が入ることわざ
第20週「稼ぎ男に繰り女?」
「稼ぎ男に繰り女」とは、「外に出てよく働いて稼ぐ男と、家を守り家事をうまくやりくりする女」という意味。 お互い想い合う気持ちを確認した寅子と航一は、「永遠を誓わない愛」を試すことに。3年にわたる新潟での勤務を終えた寅子は、航一と同時期に東京に戻る。小学6年生になった優未(毎田暖乃)と一緒に、登戸にある実家に帰ると、教員として働く弟の直明(三山凌輝)が、同僚の玲美(菊池和澄)との結婚を控えていると知る寅子。玲美は、結婚しても教員の仕事を続けることになっている。 花江は、第20週のタイトルに当てはまる女性だが、寅子や玲美はタイプが異なる。『虎に翼』は、さまざまな女性たちを描くドラマだということを実感する、「?」の付いたタイトルだ。
第21週「貞女は二夫に見えず?」
「貞女は二夫に見えず」とは、「貞節な女性は、亡夫に操を立てて、再び別の夫を持つことをしない」という意味。 亡き優三だけを愛したいと思っていたのに、航一のことを好きになった自分の気持ちに、しばらくの間、悩んでいた寅子。航一とは「永遠を誓わない愛」だったはずが、彼からプロポーズされ、寅子は航一との結婚に意味を見出せないでいた。だが、航一への想いを再確認し、結婚を決意。寅子は、結婚したら星姓を名乗るのか、優三と結婚した時からの佐田姓を名乗り続けるのかという、新たな悩みにぶつかるが、航一は婚姻届けを出さない“事実婚”を提案し、それぞれ別の名字のままでいることに。 「貞女は二夫に見えず」を守るつもりだった寅子だが、航一と出会って、新しい人生を歩むこととなった。
第22週「女房に惚れてお家繁盛?」
「女房に惚れてお家繁盛」とは、「亭主が女房に惚れ込んでいると、外で浮気や道楽もせず家庭円満になる」という意味。 優未が中学校に入学する前に、星家に引っ越した寅子と優未。優未に「おばあちゃん」と呼ばれ、懐かれている航一の継母・百合(余貴美子)は嬉しそうだが、寅子と優未と仲睦まじい様子の父・航一の姿に、長男・朋一(井上祐貴)と長女・のどか(尾碕真花)は複雑な表情を見せる。自分たちは、父親と親しい関係を築いてこなかったからだ。 第22週のタイトルは、航一は寅子にベタ惚れだが、簡単に家庭円満というわけにはいかないことを表しているように思える。今後、星家が円満になることを願うばかりだ。 参考 『デジタル大辞泉』(小学館) 『精選版 日本国語大辞典』(小学館)
清水久美子