『虎に翼』第15~22週の週タイトルの意味を解説 こんなにも多い“女”が入ることわざ
第17週「女の情に蛇が住む?」
「女の情に蛇が住む」とは、「女の情愛は執念深く、深入りすれば恐ろしいものだ」という意味。 寅子は、新潟で喫茶店「ライトハウス」を営む、学友の涼子(桜井ユキ)と、彼女のお付きの玉(羽瀬川なぎ)と再会する。華族の身分を失った涼子が、東京大空襲で足が不自由になった自分のせいで、好きに生きられないのではないかと悩む玉。 家の存続のために結婚したが、夫のことを最後まで愛することができず、離婚した涼子にとって、玉は誰よりも大切な存在だった。寅子が間に入ったことで、2人は本心を伝え合い、より絆を深める。 涼子の母・寿子(筒井真理子)は戦時中に亡くなったが、亡くなる直前まで、夫に去られた後、独りぼっちの屋敷で時間をつぶす寂しさを涼子に訴えていた。涼子は違うが、寿子の情愛は執念深いものだったのかもしれない。
第18週「七人の子は生すとも女に心許すな?」
「七人の子は生すとも女に心許すな」とは、「七人の子を儲けるほど長年連れ添った妻にも、気を許して大事な秘密を打ち明けてはいけない。女には気を許すな」という意味。 地主の娘・美佐江(片岡凜)から、「先生は私の特別です」と言われ、赤い腕飾りを渡された寅子。街で頻発しているひったくり事件に関わる少年たちも、自分が美佐江からもらった腕飾りと同じものを持っていると知った寅子は、美佐江と少年たちとの関係に疑念を抱く。 美佐江は周囲の人物を操って、犯罪に手を染めさせているようだが、いまだに明らかになっていない。第18週は、特に長年連れ添った妻が裏切るといった内容は描かれていないが、週タイトルは、少年たちが美佐江を信用できると思っていても、心を許して身を委ねてはいけない女性だということを示唆しているのではないだろうか。
第19週「悪女の賢者ぶり?」
「悪女の賢者ぶり」とは、「悪女が、表面的に賢く善良な女を演じること」を意味している。 第19週のタイトルも、引き続き美佐江に関するものだと思われる。新潟市内で女子高生が男性に売春をもちかけ、財布から金を盗む事件が多発し、事件に関与した可能性のある女子生徒2人と美佐江が一緒にいたことが発覚。2人の手首には、寅子が美佐江からもらった赤い腕飾りがあった。美佐江は、少年たちにひったくりをさせるだけでなく、少女たちに売春事件に関わらせているのかもしれない。 後に、東大に合格する美佐江は、表面上はとても優秀で、家族や太郎たちからは、善良な娘だと思われている。まさに、「悪女の賢者ぶり」ということわざがピッタリくるようだ。