セブン買収資金、カナダ年金基金が支援の用意-クシュタールに協力へ
(ブルームバーグ): カナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシォン・クシュタールによるセブン&アイ・ホールディングスへの買収提案に関連し、カナダ・ケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)の上級幹部は、クシュタールが株式公開買い付けを進める場合、資金支援を提供する可能性が高いと明らかにした。
公的年金基金などの資産を運用するCDPQの流動性市場責任者バンサン・ドリール氏はインタビューで、「必要な場合には、われわれがこうした計画で常に彼らと行動を共にするとクシュタールは承知している」と語った。
その一方で、潜在的取引の条件はなお非常にはっきりせず、「かなり多くの数字が不足している」と指摘した。CDPQはクシュタール株式の3.5%(24億カナダ・ドル=約2635億円)を保有。運用資産額は4520億カナダ・ドルに上る。
ドリール氏は、7&iHD買収資金の調達にCDPQがどの程度貢献できるかは「分からない」としながらも、過去にはエクイティーとデットの両方でクシュタールを支援したと説明。「われわれにはあらゆる柔軟性がある」と述べた。
7&iHDの株価は7日の取引で続伸し、一時前週末比3.9%高の2281円とブルームバーグでデータが残る2005年以来の日中高値を付けた。
CDPQのシャルル・エモン最高経営責任者(CEO)も9月に日本経済新聞の取材に対し、クシュタールが7&iHDの買収資金調達に動く場合、CDPQが資金の出し手として「参加できるのではないか」と発言していた。
「サークルK」などを運営するクシュタールが当初提示した390億ドル(約5兆8000億円)の買収案について、7&iHDは「企業価値を著しく過小評価している」として賛同できないと回答。その後、クシュタールが買収提示額の引き上げを検討しているとブルームバーグ・ニュースが9月11日に伝えた。
クシュタール、7&iHDへの買収提案額引き上げを協議-関係者