白磯大知の監督作「石とシャーデンフロイデ」公開、出演に三村和敬・富田健太郎ら
俳優としても活動する白磯大知が監督を務めた映画「石とシャーデンフロイデ」が、11月9日から29日にかけて東京・K's cinemaで公開されることが決定。このたびビジュアル、予告編、場面写真、監督・キャストのコメントが一挙公開された。 【動画】「中村屋酒店の兄弟」の白磯大知による長編「石とシャーデンフロイデ」予告編はこちら 本作の主人公は、数年前にバイク事故で死んだ友人へのやるせない気持ちを抱え続けているヒトシ。友人の妻・美緒はヒトシの元恋人であり、交際中にその友人と深い仲になり、ヒトシに別れを告げていた。シャーデンフロイデとは、“他人の不幸は蜜の味”を意味する感情。劇中では、今も自身の思いと向き合えずにいるヒトシをはじめとする、人生をあきらめられない人々の不器用な物語がつづられる。 ヒトシを「ABYSS」の三村和敬、圭太を「i ai」の富田健太郎、美緒を「とおいらいめい」の田中美晴が演じた。そのほか大友律、松本亮、高嶋香帆、長尾卓磨、高野春樹、今藤洋子、川瀬陽太らもキャストに名を連ねる。脚本も手がけた白磯は「シャーデンフロイデという一見、気持ちの良くない意味の言葉ですが、僕らが生きているこの世の中では無意識にそれに近い現象が起きているんじゃないかと思い、出来るだけ誇張無く作品の中に折り込めたらいいなと思いました」と制作の意図を語った。 このたびYouTubeで公開された映像には、ヒトシが圭太から「いい加減作れよ、女」と言われるシーンや、ヒトシが気だるげな様子でアルバイトやパチンコをする場面、美緒が子育てをする姿などが映し出された。なお本作は第24回TAMA NEW WAVEコンペティションでグランプリに輝いている。 ※高野春樹の高は、はしごだかが正式表記 ■ 三村和敬 コメント 3年前の撮影時、ヒトシが可哀想に見えるように演じたつもりでしたがそれこそがシャーデンフロイデだったのかなと今になって思います。当時の役作りが間違いだったとは決して思いませんが、じゃあヒトシから見てあの時の、そして今の自分はどう映っているのだろうか? 優しくも冷静な眼差しで世界を捉えた白磯監督の、初長編映画に出演できたことを嬉しく思います。 ■ 富田健太郎 コメント 「石とシャーデンフロイデ」の上映が決定したこと嬉しく思っております。 撮影は約3年ほど前の冬。“普通”ということの美しさをこの映画は描いていると感じました。 ヒトシという親しい友人との距離。その普通の関係は貴重で尊いものだけれど、時には跨ぐことの出来ない障壁も生み出してしまう。長年の友情の中で、お互い触れないようにしている無意識の箱がいつの間にか出来てしまっている。白磯監督は、日常の中に蔓延る、見逃してしまいがちな事象を摘み取って映像に残すのだと思います。是非、劇場でこの映画に触れてほしいです。 ■ 田中美晴 コメント あの時は「これしかない」と思って選んだ選択も、今思えば、状況やその選択に甘えていただけだなと思うことがあります。台本を読んでそんなことを考えていました。言い訳が上手くなった大人たちに、この作品が届いたら幸いです。 ■ 白磯大知 コメント この度スクリーンで上映していただけること、大変嬉しく、光栄に思います。本作は自身色々なチャレンジをしています。シャーデンフロイデという一見、気持ちの良くない意味の言葉ですが、僕らが生きているこの世の中では無意識にそれに近い現象が起きているんじゃないかと思い、出来るだけ誇張無く作品の中に折り込めたらいいなと思いました。誰かに向けている優しさや怒りなどの感情の、もっと手前にある自分の思いに立ちかえることが出来たら、少しだけ、見える角度が広がるんじゃないか、という思いでいます。素晴らしい、キャスト、スタッフと共に作り上げた作品をぜひ劇場でご覧ください。 ※記事初出時、一部記述に誤りがありました。お詫びして訂正します。 (c)2021「石とシャーデンフロイデ」製作委員会