【誕生50周年】最初は『あんぱんまん』だった アンパンマンはなぜカタカナ表記に変化したのか
日テレNEWS
絵本『アンパンマン』の誕生50周年を記念して現在開催している『絵本『あんぱんまん』~はじまりのアンパンマン~』(印刷博物館で9月24日まで)。複製された原画など約50点の作品と共に、アンパンマンの“はじまり”を振り返る企画展で、展覧会の担当者・石橋さんに誕生当時の知られざるアンパンマンの秘密を伺いました。 【画像】ばいきんまん声優・中尾隆聖「悪役は楽しい!」
■“あんぱんまん”誕生から50年
アンパンマンが誕生したのは1973年。4~6歳向けの月刊絵本『キンダーおはなしえほん』の10月号で、やなせたかしさん作の『あんぱんまん』という話が掲載されたことから始まります。石橋さんによると、『キンダーおはなしえほん』は、一般の書店では売られず、幼稚園や保育園など定期購入した人や施設に月に一度届くという形で作られている絵本でしたが、『あんぱんまん』が人気が出たということで、誰でも書店で購入できる絵本に仕立て直されたといいます。 現在までに発売されている『アンパンマン』の絵本は200冊以上。アンパンマンの生みの親であるやなせたかしさんが亡くなった現在でも、再販され続けているそうです。
■名前表記や見た目が変化 知られざる50年の歴史
現在『アンパンマン』という名称で知られていますが、誕生当時は子供向けの絵本だからという理由で、『あんぱんまん』とひらがな表記だったそうです。しかし、誕生から2年後に『それいけ!アンパンマン』という絵本が誕生し、現在のようなカタカナ表記に変化。「やなせさんの身の回りにあるパン屋が、全部カタカナで書かれていて、パンはカタカナで書いてあることの方が一般的、なじみが深いと思われていたそうで、カタカナ表記に直したと聞いています」と、石橋さんは説明します。
また、アンパンマンの姿に関しても、いくつか変化が見られます。誕生当時と現在のアンパンマンの姿を比較してみると、昔は頭の大きさや手の指、足の長さなどが人間に近くリアルに描かれていますが、現在のアンパンマンは頭が大きくなり、手の指がなくなって丸く描かれていることが分かります。この変化については「お子さん向けの物語になっていく過程で、人間から少しずつアンパンマンという独自の生き物というか、キャラクターに変化をしていくという形の変化があったのかなと思います」と、コメントしました。