【後編】麒麟・川島が漫画『バンオウ-盤王-』で気づく若手芸人への対抗心。原作・綿引智也&作画・春夏冬画楽×麒麟・川島明鼎談(『週プレNEWS』ロング版)
――お話が変わりまして、みなさんの推しキャラと好きな対局を教えてください。 春夏冬 えっと、七島ですね。七島の異常なまでのストイックさ。何かひとつの物事、七島にとっては将棋ですが、それに執着している人は、負けないための努力もものすごくするし、負けてしまった時には努力の反動が精神的に来るものじゃないですか。 綿引先生は彼のことを「人間の美しくない部分もあるキャラ」とはおっしゃってるんですけど、私は自分に甘えがある人間なので、七島のように強烈に苛立ちや怒りを表せる、それだけストイックになれる人間に憧れがあります。 川島 なるほど、打ち込めるという。 春夏冬 はい。それだけ将棋一点に集中している人間ってことなので。 川島 うんうん。周り見えなくなるほど集中してるという。 春夏冬 はい。そのエネルギーがプラスだろうとマイナスだろうと。それもひとつの「天才」なのではないかっていうところで、七島が好きです。好きな対局はもちろん伊津戦もそうなんですけど、七島推しでもあるので、月島対七島の対局が一番好きです。 綿引 対局は伊津戦ですけど、実は推しは七島なんです。さっきも言いましたけど、『バンオウ-盤王-』は人間の善い面をフォーカスして描いていたんですけど、七島に関しては善い面じゃないところも描いていて、それが逆に「本物の人間臭さ」が描けたかなと思っているので。だからドラマ的には伊津さんですけど、人間的な部分では七島が一番、自分の中では思い入れのあるキャラクターですね。 川島 春夏冬先生と一緒だったんですね。推しキャラ。 綿引 そうですね。
――では最後に、まず川島さんから、読者にひと言推しコメントをお願いします。 川島 他の吸血鬼モノの作品とはちょっと違って、「吸血鬼が一番人間らしい漫画」だなというのが、僕の中の『バンオウー盤王-』の印象ですよね。あとやっぱりこう、「努力で天才に挑む」という意味では「これぞ王道」という感じがするんですけど、先生方のテーマになってる「嫌な人が出てこない」というところも守っておられて、しかもこれだけの力作なのに、ハマったら1日で読み切れそうな疾走感もある。『バンオウ-盤王-』は、将棋を知らん人にこそ読んでほしい漫画ですね。 ――春夏冬先生、お願いします。 春夏冬 そうですね、実はまだ、私自身も結末を知らないので...。もう何が来ても一生懸命描けるように、ホントに最後の最後まで。ラスト1ページ、ラスト一筆まで神経注いで、頑張らせていただきたいと思います! 川島 素晴らしい。急に最後野球かもしれないですしね。 一同 笑 川島 分かんないですよね。格闘漫画、カーリングとか始まってもおかしくない。 春夏冬 次はバットの柄の部分でホームラン打つくらいのことがあっても、一生懸命描きます(笑)。 ――綿引先生、最後にお願い致します。 綿引 物語も佳境に入っていますので、最後まで読んでいただけたら嬉しいです。読者の皆さんが満足できるような終わり方にしたいと思いますので、見届けていただけたら嬉しいです。 ――ありがとうございました! 川島明(AKIRA KAWASHIMA)1979年生まれ、京都府出身。98年に田村裕とお笑いコンビ麒麟を結成。『IPPONグランプリ』や『フットンダ』など、大喜利番組で頭角を現し、現在では『ラヴィット!』のMCを中心に、テレビで見ない日はない人物となった 綿引智也(WATAHIIKI TOMOYA)『バンオウ-盤王-』の原作担当。『ジャンプ+』にて読切作品『SWORD IN THE CITY』、『その惑星で、彼は生きる。』を経て『バンオウ-盤王-』を連載中 春夏冬画楽(AKINAI GARAKU)『バンオウ-盤王-』の作画担当。綿引氏と共に『バンオウ-盤王-』を連載中 取材・文/渡辺マホト 撮影/榊 智朗
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