45歳を迎えるタイトルホルダー、競輪界の最前線で戦い続ける思いを明かす「もう若い頃とは違う」
佐世保競輪の「スマリレ オズパ祭杯(F1)」が8日に初日を開催する。特選12Rを走る村上博幸(44歳・京都=86期)に話を聞いた。 2010年のKEIRINグランプリをはじめ、これまでいくつものタイトルを手にしてきた実力者の村上博幸も、今月15日には45歳を迎える。「もう若い頃とは違う。練習に対する考え方も変わってくるし、その日、その日で状態も変わる。でも、それ含めて勉強だし、どうすればいいかを考えて練習しています」と、寄る年波にあらがっている。 年齢に関する話を続けていた村上は、外を眺めながらふとつぶやいた。「佐世保ってF1で初めて決勝に乗った場所なんです。窓から遊んでいる中学生の姿を眺めたのを覚えていて。あの頃、遊んでいた子たちも、もう40歳ぐらいなのかな…」。 佐世保競輪の選手管理棟からは、隣接する中学校の校庭がよく見える。楽しそうに遊ぶ学生たちの姿が脳裏に焼き付いていたようで、日付をたどると2003年9月の話だった。その後、村上は数々のタイトルを手にし競輪界の頂点にも立つなど大成功を収め、21年の歳月はあっという間に流れていった。そして今もなおS級の最前線で戦い続けているのは、たゆまぬ努力があってこそだ。 「今回が44歳、最後のレース。年齢を重ねると一日一日が大事になってくる。色々と考えながら走りたい」。昔の記憶を呼び起こし"初心"に触れた村上が、若さのあふれる走りで魅せてくれるはずだ。(netkeirin特派員)