実際は何歳まで生きられる?現在の平均寿命から「貯蓄額」を決めてはいけない理由
資産形成の目標額(資産額)や貯蓄額を、現在の平均寿命から計算していませんか。本記事では、現在の平均寿命から貯蓄額を計算してはいけない理由を解説します。 多くの人が、将来何歳まで生きるかを「現時点で公表されている平均寿命」や「自分の祖父母あるいは父母が何歳まで生きたか」などの情報から予測します。しかし、その考え方で、将来必要な貯蓄額を決めることはおすすめできません。なぜなら、将来必要な資産は、生きる年数が長いほど多く必要になるからです。 何歳まで生きるかを適切に把握して、適切な資産形成の目標額を設定しましょう。
貯蓄額を現在の平均寿命から決めてはいけない2つの理由
貯蓄額を平均寿命から決めてはいけない理由は、以下の2点です。 ●現時点の平均寿命=自分の寿命ではない ●平均寿命は年々、延伸している それでは、次から詳しく解説していきます。 1. 現時点の平均寿命=自分の寿命ではない 現時点の平均寿命は、自分が何歳まで生きられるかを示している指標ではありません。 平均寿命とは「0歳における平均余命」のことで、現時点の平均寿命は、統計的に現在何歳で亡くなる人が多いかを示しています。 つまり、今生きているわれわれが亡くなるのはもっと先になるはずです。そのため、現時点の平均寿命ではなく、将来自分が何歳まで生きられるのかを考えましょう。 2. 平均寿命は年々、延伸している 厚生労働省の調査によると、年々平均寿命が延びていることが分かります。 (単位:年)
出典:厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」1 主な年齢の平均余命 表2 平均寿命の年次推移 平均寿命が延びている背景には医学の進歩があるとされており、今後も延びていくことが考えられます。そのため、現時点の平均寿命で計算してしまうと、貯蓄額を少なく見積もってしまう可能性が高くなると考えられます。
平均寿命の推移から、何歳まで生きられるかを考える
それでは平均寿命の推移から、何歳まで生きられるかを予測してみます。 ■平均寿命の年次推移から予測 厚生労働省が公表している「平均寿命の推移と将来推計」から、平均寿命を予測します。ここでは、2020年時点で40歳の方を例に考えてみましょう。